スイッチのスマブラSP、1人用モードの感触は
ニンテンドースイッチでスマブラSPが発売された。私は発売前「圧倒的に面白いスマブラ」になることを望んでいるとの記事を書いていた。
まずは旧作で言うところの1人用アドベンチャーモード、灯火の星のプレイレポートからお伝えして行きたい。
正直、圧倒的に良いスマブラかどうかは掴みかねているが、1人用モードの感触は良かった。
スマブラSP、灯火の星は規模がぶっ飛んだソシャゲ
これはかなり面白い。このモードは一言で表せば、ソシャゲウルトラスーパーデラックス。
私はほとんどのソシャゲは好きではないのだが、ソシャゲに慣れ親しんだ現代人の皆さんならスンナリ受け入れられるだろう。
しかし、そこらの十把一絡げのソシャゲとは違う。
スタミナポイントが無く、ガチャが無い。そして決定的に違うのは、「知ってるキャラ」がたくさん出る。
任天堂と愉快な競合他社達のキャラクターを惜しげもなく使いまくっている。
例えばポケモンもたくさん出る。コロプラのバクモンみたいに、ポケモンに“偶然にも”似たキャラが出るんじゃなくてね。
ポケモンもロックマンの懐かしいボスも、「スピリット」として出てくる。
ありとあらゆるキャラが作中でプレイアブルなキャラの体を借りて、プレイヤーと対峙するというわけだ。
はっきり言って、これはかなり楽しい。キャラの知識があればあるほど楽しめるように設計されている。
灯火の星は究極のビデオゲームオタク向けソシャゲ、と呼んでも良い。
課金やスタミナ制限から解放されると、ソシャゲはこんなに面白くなるのか。
スマブラの新しい1人モードは、マス目を1面1面クリアして行く、見慣れたソシャゲのメソッドを取り入れた。
ソシャゲは拝金主義者たちの搾取装置だと信じる私は、このデザインは少し気に入らなかった。
だが、このモードはキャラを抜きにしても、ソシャゲに比べて明らかに良い点があることに気づいた。
それは、スタミナゲージとガチャが無いことだ。
このソシャゲをプレイしてる間だけは、我々はお金と時間に縛られた存在ではなくなる。
ちょっとだけプレイするのも、がっつりプレイするのもできる。そして再開する時も、必ず途中から始められる。
好きな時に好きなだけ遊べる、当たり前のことのはずだが、一般のソシャゲのマネタイズ法では絶対に不可能なことをスマブラSP
はやってくれた。
もちろん、お金を無限にむしり取られる心配もいらない。
キャラはオリジナル8からスタート。ここからあと66キャラ集めるの?マジか?
そうそう、大乱闘を始めようとしたら驚いた。なんとまあ74キャラ出ると言っていたのに、たったの8キャラしかいないじゃないか!
でもこれって、10代は知らない初代64のスマブラと同じ初期メンバーなのだ。
マリオ、ドンキーコング、リンク、サムス、ヨッシー、カービィ、フォックス、ピカチュウ。
まるであの頃に帰ったような懐かしい並びだ。
Jリーグ初期メンバーのオリジナル10に習えば、オリジナル8とでも呼ぶべき歴戦の猛者達だ。
当時は、「まだ4人も隠しキャラがいるのか!すごい!」とワクワクしたものだ。
時代は流れ、Jリーグも10チームから55チームになった。
プリキュアも2人から55人になった。
そしてスマブラは、12人から74人に。
あの頃の私に伝えたいよ。「今はあと66人いるぞ」と。
しかしながら、私はスマブラ4で自分がスマブラについて行けなくなっていた時のことを思い出した。
あの時、特にWiiU版で何が1番きつかったか?それはキャラ選択画面の、あまりの数の多さだった。
確かいきなり3000キャラくらいから選ばされたような感覚があった。目眩がした。
私は、情報量の多すぎる画面は苦手だ。
多機能携帯電話についていけないお年寄りの感覚がわかった気がした。
今作のキャラクターセレクトには、昔のスマブラの雰囲気がある。(少なくとも最初のうちは)
最初のキャラが少ないのは、むしろ高齢者にも優しくなったのだ。
まあこれからどんどん増えていくだろうから、そうなった時に自分は大丈夫か?という不安はある。
でもまあ、少ないキャラ数から慣らしてくれる姿勢は、逆にありがたい。
今の所この程度。
そして、この「操作キャラを集める」のが、1人プレイモードを遊ぶ最大のモチベーションになる。
灯火の星を攻略していくと、大乱闘やオンライン対戦で使えるキャラも増えることになる。
まるでソシャゲの確定ガチャを引いているかのように、ファイターを次々とゲットしていくのは快感だ。
なお、効率よくファイターを集めるには、大乱闘モードで残機1にして自爆を重ね、試合数だけ積み重ねればよいとも言われている。
そんな風情のカケラもない、野暮極まりない道は私はオススメしない。
選ぶのは自由だが。
演出過多のビリビリは要らなかった
ゲーム中の演出についても触れたい。
スマブラと他の格闘ゲームとの決定的な違いは、何が最後の一撃になるかわからないという緊迫感だ。
いや、そうだったと言うべきか。
例えば野球中継で、バッターが打った瞬間にホームランかそうでないか分かるシステムが導入されたら、それこそ興醒めだ。
野暮なことに、スマブラSPはそうしてしまった。
1対1マッチで、これはバーストだろうという一撃が入ると、カメラがアップになり画面が一瞬止まる演出が入った。
デザイナーはこれでバースト時の爽快感が増す、とでも考えたのだろう。だが爽快感ならバースト時の爆発音や断末魔などで十分に得られていた。
この点に関しては、本当に余計なことをしてくれた。稲妻が走る演出でも、少し蛇足に感じていたのだが。
この演出が好きな人には申し訳ないが、私は嫌いだ。
もちろん、このビリビリを決めた時は、私も快感を覚える。が、やられた時の屈辱も倍増する。
行動経済学の本によれば、人間は損得の絶対量が同じならば、得をした時の快楽よりも損した時のストレスの方が2倍くらい勝るという。
だから屈辱の方が記憶に残りがちなんだよな。
スマブラSP。灯火の星などの感想まとめ
- 1人用モード「灯火の星」、かなり楽しい。
- 初期メンバーは昔を思い出す。
- ファイターを集めるのが、1人用モードを遊ぶモチベになる。
- フィニッシュ時の演出は過剰で、やりすぎ。
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