スマホのマリオカート、マリオカートツアー。
偉大なるマリオカートシリーズが、平凡で銭ゲバなソシャゲになってしまったのだろうか?
任天堂も悪しきガチャ商法という闇に染まってしまうのか?
真相を確かめるべく、私は早速マリオカートツアーをインストールした。
レビューの結論
まず結論から話そう。
私はこのマリオカートツアーをプレイする前、正直にいうと「スマホのマリオカート?とんでもない!ロクでもないクソゲーに決まってる!」と、いう趣旨の記事を書く気マンマンであった。
読者の皆さんの何割かも、同じ心境だったはずだ。
でもやってみたら、なんというか、悔しい気持ちでいっぱいだった。
「くやしい、でも楽しい」とね。
ビジネスモデルや、スマホというハードで出すことに不満を抱きながらも、結構楽しんで遊べてしまうのだ。
「カジュアルさ、遊びやすさを追求したマリオカートとして、これはありだな」
それが私の結論だ。
最近のCSマリオカートの遊びにくさ。
マリオカートと言えば、マリオ派生作品の中で最もメジャーなシリーズだ。
30代以下で全く遊んだことがない、という人を探すほうが珍しいゲームである。
しかしながら、私は最近のマリオカートが好きになれないでいた。
どうも最近の本家マリオカートはガチになり過ぎた。
私はもっと、アイテム運任せのカジュアルなゲームを期待していたのだが……。
オンライン対戦が当たり前になった昨今、長く遊んでもらうためか、実力が反映されやすいゲームとなった。
レーシングゲームでありながら、カジュアル勢でもそれなりにミスなく走れば運勝ちできる、そんなアバウトで時に理不尽なバランスを求めていた私にはマリオカート8(wii U版)は不向きだった。
そんなわけで、8DXも遊ばなかった。
が、無料でできるスマートフォン版が出たら、また話は変わってくる。とりあえず無料で失うものが時間だけなら、騙されたと思って最初だけ遊んでみようという気にはなる。
本当に騙される方が多いけどね。
率直に言えば、「ソシャゲ」になった。
マリオカートツアーは、私の大嫌いなソシャゲになった。
良く言えば、商魂たくましく、効率的なビジネスを行うようになった。
悪く言えば「ユーザーからカネをむしろう」という姿勢が強くなった。
このマリオカートどころかマリオ本家では一切見たことがない「ルビー」を見た時、私は笑った。もちろん、苦笑いだ。
そして、ものすごい勢いでガチャをひかせるゲームなのかもしれん、と私は身構えた。
しかしまあ、そこは天下の任天堂及びマリオシリーズだった。
新興企業のソシャゲのように「ほら早くガチャを回せ!こんなにいっぱい女の子がいるぞ!格好もえっちだぞ!」みたいな、風俗店まがいの売り方はしなかった。
というか、マリオの女性陣では……おっと、ハラスメントをしてしまう所だった。
一応、課金要素は、このダイヤの初登場以降は、さりげないアピールにとどまっている。
課金要素もさることながら、目標点数や条件をクリアしていくと次のコースが解放される、というのは、正にソシャゲ的だ。
私は、こういう仕様はあまり好きではないが、長々としたストーリーやローディングないのは良い点である。
ただ、明らかに厄介な点として、コースが少ないことがある。新しいコースを解放しても、また同じコースがリバースコースとして出てきたりするからね。
しかもほとんどが過去作の使い回しだ。
「実在の都市をめぐる」というのが今作の目玉要素だったようだが、眉をひそめてしまう。
順位より点数稼ぎを重視
マリオカートツアーでは、順位が従来のマリオカートほど重視されない。
それよりレース中にポイントをどれだけ稼げるか、というゲームだ。
敵にアイテムを当てた数とか、ミニターボの数とか、ジャンプアクションの数とかで評価される。
ガチャで入手できるキャラやマシンも、スピードアップというよりは、ポイントアップのために用意されている。
コースごとに高ポイントを取りやすいキャラやマシンが設定されていて、乗り替えて戦うことになる。
最高速や加速、グリップ力といったステータスは、もしかしたら設定されているかもしれないが、大した差はないように思える。
従来のマリオカートは、順位が絶対的な勝ち負けを決める要素だった。
だが、敗北は思ったより人の心を折るものである。
マリオカートツアーは、そんな白黒ハッキリした競走を良しとせず、点数をゲームの最大の目的とした。
2位だっていいじゃない、楽しく美しい走りができれば。そんな思想が、マリオカートツアーには詰め込まれている。
優しすぎるゲーム性。コースアウトもアイテムを取れないこともなく
マリオカートツアーは、マシンがコースアウトすることは、一部を除いてほとんどない。
なぜか縁石に乗り上げることもなく、見えない壁沿いにマシンが進んでいく。その際、減速もあまりしないようだ。
さらにアイテムを先行するライバルに取られてしまって、自分が取れないというマリカ特有のイライラもない。
アイテムボックスが消えているときでも、あるいは横を通過しても、アイテムを取ったことになる。
従来のマリカで、初心者が泣いてしまうポイントを徹底的に排除したのだ。
しかも操作は指一本で、ドリフトもできる。
ジャンプアクションも、勝手にやってくれる。
ショートカットも、そこまで複雑で難易度の高いものは用意されていない。ノコノコビーチの例のやつくらいだ。
さらに対戦相手も、一見するとオンラインで他のプレイヤーと対戦しているようだが、実際はCPUと戦っている。
おっと、このことは小さい子にはナイショだぞ。みんな人間に勝ってると思うことで、自尊心を満たし、健全に成長していくのだろうから。
もし貴方が大人なら、逆に「本当に人間と戦ってると思っていたのか!?」とビックリしてしまうが。
レースが始まる前、変にマッチング時間に見せかけた「間」があるのも微笑ましい。演出しているのだろうね。
ともかく、このカジュアルさこそ、私がマリオカートに求めていたものなのかもしれない。
悔しいが、認めたくないが、遊びたくなる魅力がある。
それが、マリオカートツアーに対する私の評価だ。