Switch Liteには期待し過ぎないのが良い
すき家に誘われた時、「すごく美味い店に連れてってあげるよ!」と言われるのと、「ちょっとマシなドッグフードを食べに行こう」と言われるのとでは、どちらが幸福だろうか?
期待値を下げる、というのは物事を楽しむうえで重要な話だ。
もし誰かに食事をご馳走してもらえることになっても、期待しすぎてはいけない。
それは、今回発売したNintendo Switch Liteにも当てはまる。
Switch Liteは文字通り、軽いSwitchである。
それ以上でもそれ以下でもない。
このハードを楽しむには、「期待レベルをどこに置くのか」が重要だ。
新型Switchだと思うと、ひどいゴミだと感じるだろうが、3DSの後継機だと思えば、素敵な未来のマシンになる。
新しい体験に期待してはいけない
こいつを「新型スイッチだから、今までにない斬新な体験ができる!」などと期待してはいけない。
Switch Liteはあくまで、Switchとしては廉価版で軽量版。
オリジナルに優っている点は、軽くて小型で持ち運びに便利な点だけ。
「お、思ったより小さい。そして軽いな〜」
そう感じたなら、貴方の新体験はそれで終わりだ。
Twitterにも小ささに感心する人はたくさんいたが、おそらくそれ以上言及する人はほぼいないはずだ。何故なら他に言うべきことがないから。
Switch Liteにはjoy-conというゲームをエキサイティングにしてくれるテクノロジーはない。
だからjoy-con必須の一部のゲームは、遊ぶことができない。
TVモードもなく、テレビにつなげるSwitchを羨望の眼差しで眺めることになる。
TVに繋げない、joy-conもないということは、大目に見てもSwitchの半分の機能しかない。しかし価格は3分の2なのだから、”Switchとして”考えてしまうと、少々割高だ。
「ニンテンドースイッチ」が欲しいなら、ケチケチせず従来のSwitchを買えばいい。バッテリーも長持ちするようになったからね。
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Switch Liteの比較対象はSwitchではなく、3DSだ。
お伝えしたように、SwitchLiteは既にニンテンドースイッチを持っている人にとっては、新鮮な体験をもたらすものではない。持ってない人にも同様だ。
Switch LiteはノーマルのSwitchと比べたら、ハッキリ言って安いだけの代物だ。
1万円安く済ませようとした結果、それ以上のものを失うことになるだろう。
でも3DSやNew3DS・2DSと比べたら?
Switchとは別物で、3DSの後継機と考えた場合、途端に素晴らしいマシンになる。
現行の据え置き機と完璧な互換性もある。ソフトもほとんど共通だ。
たくさんのスーファミやファミコンのゲームも、月300円で遊べてしまう。
おお、なんということだ!今までにない、画期的な携帯ゲーム機が登場したじゃないか!
Switch LiteはSwitchであるが、Switchではない。
3DSの進化形で、ゲームボーイ、あるいはゲーム&ウォッチの血脈を持った最新の携帯ゲームマシンだ。
Switch Liteが最も近いのは、ゲームボーイアドバンスである。
任天堂は、本当はSwitchではなく「ゲームボーイ・ネオ」とでも銘うって出せばよかった。
ただ、それだと「Switchとほぼ同じやんけ」というツッコミが大量に入り、カスタマー部門がクレーム対応に追われそうなので、仕方なくSwitch Liteというネーミングにした。
だから、この記事の中で、私と読者の皆さんの間でだけは、これは「新型のゲームボーイアドバンスだ」ということにしておいて欲しい。
外観
私は、スタートゥインクルプリキュアのキュアミルキーのようなターコイズカラーにした。
カラフルなオリジナルSwitchと違い、単色で飾りっ気のないカラーリングはいかにも任天堂の携帯ハードらしい。
この点、良くも悪くもゲームボーイポケットの時代から変わってない。
ボタン配置などはPS Vitaに酷似していると噂だが、あいつよりもスタイリングがシンプルでよりゲーム機らしい。
ソニー史上最高のデザインだったPSPにはデザインも小ささも負けるが、薄くて現代的な外見になっている。
そのうちコピー機で印刷できるくらい薄くなりそうだ。
ディスプレイ
参照:https://www.nintendo.co.jp/hardware/switch/compare/
Switch Liteのディスプレイの大きさは5.5インチ。
従来のSwitchの携帯モードが6.2インチだから一回り小さい。
New3DSLLやNew2DSLLの上画面(4.88インチ)よりも少しだけ大きい。
ただ画面の数が減ったため、情報量は3DSよりも少なく感じる。
バッテリー
実はバッテリー持続時間は、従来型のSwitchに勝っている。
任天堂によるとSwitch Liteのバッテリーは3〜7時間。
従来Switchの2.5〜6.5時間から0.5時間も伸びた!30分も長く遊べるらしい!
3DSシリーズの最終形New 2DS LLは3.5〜6.5時間といい勝負。解像度で圧倒していることを踏まえれば、実質は圧勝だ。
なお、8月末から出ている普通のSwitchの新モデルは、4.5〜9.0時間。
バッテリー重視で買うなら、断然こちらのバッテリー増強Switchをオススメするね。
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重さ
Switch Lite:275g
Switch:398g
New2DSLL:260g
New3DSLL:329g
Switch Liteの最大の利点、「軽さ」。
joy-conをスパッと切り捨て、従来のSwitchから100g以上のダイエットに成功した。
これにより、最新の携帯専用機だったNew 2DSLLともほぼ変わらぬ重さになった。
重心を考えれば、むしろSwitch Lite の方が軽く感じる。
操作感・使用感
まず十字キーが付いているのは良いね。気に入ったよ。
ジョイコンが無くなって、良くなった点だ。
十字キーがついていると、いかにも携帯ゲームって感じだ。
手触りは、特別な感じはない。従来のSwitchと同じ素材が使われているのだろう。
さて、肝心の使用感。
マリオメーカー2を1日遊んでみたが、ボタンの押し心地は、あまり反発力が強くなくて、押している実感が少ない。
さらに手で持つスペースが小さすぎて、長時間使用していると、やや疲れてしまう。
また、HD振動がないのは存外に寂しい。ノーマルSwitchがゲームでミスした時、蚊の鳴くような音でプルプル震えてたのが懐かしく思える。臨場感が減ってしまった。
正直、あまりアクションゲーム向きではない。Switch LiteはポケモンのようなRPGでこそ真価を発揮するだろう。
むしろ私個人としては、将来はポケモン専用機になるだろうと予想しているよ。
Switch Lite総評
- ニンテンドースイッチと比較すると、あらゆる点で通常盤の劣化でおススメできない。
- ただ、3DSの後継機と考えるなら、ナイスなマシンになる。
- むしろ未来のゲームボーイだ。新型のゲームボーイだと思えば、現行で最高の、エクセレントなマシンだ。
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