まずこの記事をご覧になるにあたってそれなりの覚悟を持って欲しい。
過去作のモンハンの批判に耐えられないような人は、ブラウザを閉じて、別の楽しいことをすると良い。
では、ここまで残ってくれた「覚悟してきた人」は、私がモンハンについて下した結論を聞いて欲しい。
「モンスターハンターは、モンスターハンターワールドPC版でようやくまともな楽しいゲームになった。これまでのモンハンは酷かった」
おそらく、MHW・PC版以前のモンハンを愛していた人達は、とても慈愛に満ちているのだろう。
おおらかで、温和で、イライラすることもなく、少しの遅刻は勘弁してくれるような、そんな素晴らしい人たちのはずだ。
だから、例えばこの記事を読んでも、寛大な心でお見守りくださるはずだ。
モンハン 過去記事:
モンスターハンターは、ワールドPC版でようやく完成した。
私はモンハン3と4を買って後悔し、XXスイッチ版とワールドのPS4体験版でも微妙な感想を抱いた。
過去作ですっかりモンハンを嫌いになっていた私が、清水の舞台から飛び降りる思いでモンハンワールドPC版を買った。
なんてことはない、仲のいいゲーム好きな友人が買ったから自分も、というクラゲのように流された自主性のない購入だった。
もちろん、価格が3000円を切っていたことも魅力の一つだった。
だが、買ってみて気づいたことがある。
「このゲーム、かなり良くなっているのでは」
ということだ。
無料で体験版を遊んでいた時とは違う。金を出したからこそ、真剣に遊んでみよう、そんな心境の変化もあっただろう。
それでも明らかに過去作よりもよくなっているし、海外での評価が高まったのも理解できた。
さて、これからモンハンワールド(MHW)を再評価する前に、まず過去のモンハンがどういう物だったか、思い出してもらわねばなるまい。
これまで過去のモンハンを嫌いだった理由を書いていくので、それなりの覚悟をして読んでみてくれ。
- モンスターハンターは、ワールドPC版でようやく完成した。
- これまでのモンハンの欠点
- 悪い意味で時間を取られていた
- モンスターハンターシリーズは、「モンスターハンターワールド・PC版」でようやく良いゲームになった。
これまでのモンハンの欠点
これまでのモンハンは、酷いものだったと私は考えている。とにかくダラダラしていて、時間だけがかかるゲームだった印象だ。
その酷さ、遅さの具体的な内容とは。
- 狩りにいこうとするとローディング
- 狩猟対象を探してローディング
- 狩猟対象が逃げてローディング
- 狩猟対象が見つからず行ったり来たりでローディング
- 終わってもローディング
- ドスジャグラス(最初のボス)のHPが高すぎる
- しかもHP残量が分からない
- さらに見失って回復される
- 剥ぎ取り、拾いがめんどくさい
- 砥石も無駄に時間取られる
- 砥石が無くなってやり直し
- 自キャラがモタモタ歩きのくせに、すぐ息切れする
- 武器を振る動きも遅い
- アンロックのために周回プレイを要求される
- ほとんどマルチプレイが前提
ローディングが長い
クエスト開始時のローディングはまだわかる。
モンスターが逃げるたびにエリアを移動し、いちいちローディングが始まるのが最高にストレスを感じた。
私はこのせいで、「モンハンはローディングと戦うゲームだ」と理解した。
ローディングの長さは確実にやる気を削ぎ落す。
例えばフォールアウト76のバトロワもゲーム自体は愉快なのだが、その後まったく遊ぶ気が起きない。 ローディングが早ければな。
ボスモンスターとの戦闘が長すぎる
3でも4でもXXでも感じたのは、「ドスジャグラスを倒すのに時間がかかりすぎる」ということだ。「いつまで殴ればいいんだ?」と感じ、イライラした。
体力ゲージも見えないから、終わりも見えない。
まるで部活の顧問からひたすら「走れ!」と言われて、いつ終わるのか教えてもらえないランニングのようだ。昭和の悪い風習の名残を感じた。
かと思えば、ボスとの追いかけっこが始まったりして、これもめんどくさかった。あっという間にボスを見失い、また回復される。
そこに楽しさは見いだせなかった。慣れれば、「走る喜び」とかなんとか言えるのだろうが。
無駄に時間のかかる要素が多い
例えば、砥石を使って武器をいちいち磨くのも好きではない。ゲームを冗長にしてる。
「剥ぎ取り」も私の嫌いな要素である。
何故なら、大抵のゲームではドロップ品など一瞬で手に入るものなのに、モンハンではギックリ腰を抱える60代のシニアのように、「よっこらしょっ」とゆっくり動いて剥ぎ取りしなければならない。
また、何に使うのかよく分からないものをいちいち集めるのがめんどくさかった。
プレイヤーキャラがもっさりしている。
FPS、あるいは2Dのハック&スラッシュのテンポに慣れていると、モンハンのプレイヤーキャラはずいぶんと動きが緩慢に思える。特に大剣やハンマー、太刀などを持った時はそう感じる。
また、スタミナが無くなってすぐ息切れする。
更年期かと思うほどにね。
周回プレイを求められる
これも相当嫌いな要素だ。
素材集めだのなんだので、同じ奴と何度も戦うことを求められる。過去作では様々な武器が使えるようになるには手間がかかったため、より単純作業の繰り返し感が強く、萎えた。
悪い意味で時間を取られていた
まあ色々書いたが、まとめると一番イヤなのは「体感時間が長すぎる」ことだ。特にローディングの回数と長さが不愉快だった。
私はモンハンを通して、はじめて「塾に行きたくないのに、親に行かされている子供」の心情が理解できた。
これまで海外で評価が低かったのも、この異様なまでに遅いテンポのせいだろう。
L4D2のようなハイテンポゲームに慣れている海外の人からしたら、まるでスローVTRのウサイン・ボルトを見ているような気持ちだったに違いない。
モンスターハンターシリーズは、「モンスターハンターワールド・PC版」でようやく良いゲームになった。
それまでのモンハンシリーズは、「一緒にマルチプレイをする友達」が面白さの大半であったはずだ。ソロプレイは、上記の理由で酷いものだったし。
とにかく、一緒にプレイできる友人がいるかどうかは、このゲームを遊ぶ上で非常に重要なファクターだ。それは過去も現在も、きっと未来も変わらない。
私個人にとってはMHW・PC版で「一緒に遊んでくれるコミュニティに属せた」ということが、モンハンというシリーズを見直すきっかけになった。それは間違いない。
それを踏まえたうえでMHWを見直すと……。
モンスターハンターワールド(MHW)PC版の改善された点
ローディングが早い!(もちろんPCスペックによるが)
マップ間の移動によるローディングが無くなった!
導虫で狩猟対象の場所が分かりやすい!
砥石が無限!
最初から豊富な武器を選べる!
変わらずダメな点
HPゲージが表示されない
一部武器でキャラの動きがもっさりしている
スタミナゲージ・砥石の必要性を感じない
導虫の誘導が分かりづらい場合がある
周回要素
とにかくMHW・PC版の素晴らしい点は「ローディングが早い!早すぎる!」これに尽きる。
ゲーミングPCで遊んでいる私は、PS4版のようなクエスト開始時のノロノロもない。
もちろんマップ移動時のバカげたローディングもない。
MHWのPC版は、これだけの事により「無駄に時間がかかるゲーム」だった過去作を、文字通り過去の物とした。
アクションゲームに何より必要なのは、スピード感だ。
モンスターハンターは、今まで何処かにしまっていたスピードを解放したことで、ようやくCAPCOMが世界に誇れるゲームとなった。
「ローディングが遅すぎて話にならぬゲーム」という呪縛から解放されたモンハンは、初代から15年を経て、ようやく素晴らしいゲームの仲間入りをしたのだ。