やすおかのポケモンなどブログ

ポケモンの記事を書くと見せかけていろんなゲームの記事を書いてます。ポケモンは対戦派ですが、一番重要なのは楽しむこと。まだ見ぬ未開の地を求めて

ロックマンXアニバーサリーコレクションの感想・レビューと90年代横ACTに想いを馳せる

復刻したロックマンXは、ほんの一瞬のお祭りのようなもの

かつては誰もが訪れる商店街だったのに、今じゃシャッター街……。

それなりに長く生きている読者の方ならば、少なからずの人が経験したことがあるだろう。

時折懐かしくなって、「あそこは今どうなってるかな」なんて訪れたりしても、結局シャッター通り。

あるいは、物好きな外国人が経営する、なんの店か分からないような謎のテナントが入っていたりね。

f:id:yasuokaden:20180801140908p:plain

しかし、もしも1日だけ、何かの力で当時の商店街の活気が復活したとしたら?

それは何かのイベントかもしれないし、魔法かもしれない。

ロックマンXアニバーサリーコレクションとはそんなゲームなのだ。

かつての2D横スクロールアクションというジャンル

ビデオゲームがアーケードより家庭用が主流になっていった頃、2D横スクロールアクションは、ビデオゲームの花形であった。

世界で1番遊ばれたスーパーマリオブラザーズ以降、各メーカーはこぞって意欲的な名作・迷作を産み出しまくった。

 

むしろ私が幼い頃は、2Dスクロールアクションと縦スクロールSTG以外のゲームなどほとんどなく、あとは超メジャー作か変人向けのRPGがある程度だった。

 

スーパーファミコンの時代になると、格ゲーやパズルゲーが流行り、ビデオ

ゲームのジャンルも多岐に渡るようになった。

それでも、2D横アクションはまだ人気ジャンルだった。

そしてSFCの時代は、2D横アクションはビジュアル面での進化が著しかった。

 

ローンチのスーパーマリオワールドから始まり、グラフィックが日本メーカーとは一段違う領域にいたスーパードンキーコング。

データが消えさえしなければ、完璧なゲームだった星のカービィスーパーデラックス。

クレヨンで描かれたようなヨッシーアイランド。

メガドライブに目を向ければ、海外で大人気のソニックシリーズが生まれた。

 筆者はこれらをほとんど人の家で遊んだ。

その時代に生まれたロックマンX

ロックマンXもその時代に誕生したシリーズだ。ファミコンのロックマンより、少し硬派で高年齢層をターゲットにした世界観のゲームとして。

 

元来ロックマンシリーズは、

  • 飛び道具主体な主人公
  • メカニカルな世界観
  • ラーニングシステム
  • ステージ選択制

などの独自要素で、マリオシリーズらとは十分な差別化ができていた。

ロックマンXが無印ロックマンと差別化を心がけたのは、特にこの世界観の部分だった。

 

レプリロイド」だの「イレギュラー」だの、なんかイカす単語を次々と登場させ、各登場キャラにはそれぞれ緻密な設定がもたらされた。

設定ばかりでなく、キャラのビジュアルも緻密になり、グラフィックが美しくなった。

ロックマンXというゲームを起動させただけで、プレイヤーは殺伐とした未来の世界で戦う、勇敢なイレギュラーハンターになれた。

 

それが1993年発売の「ロックマンX」であり、1994年発売の「ロックマンX2」だったのだ。

 

 私はゲームそのものよりも、このゲームの世界観がなにより好きだった。

変な名前のボスばっかりだが、その名前を読み上げるだけで楽しくなった。メタモル・モスミーノスとか、ランチャー・オクトパルドとか……。

シグマ以外にもVAVAやカウンターハンターや、ナイトメアポリスという魅力的なライバル達も好きだった。

 

(まあ自分の家にはSFCがなくて攻略本を読みふけっていたせいというのもあるが)

 

3Dアクションの台頭、ロックマンXの選んだ戦略

しかしながら、PSやSS、ニンテンドー64が登場し、時代が3Dに移ると話は変わってきた。

2Dアクションの元祖だったマリオも3Dアクションへと以降して、たちまち2Dは古臭いものとなった。

 

当時はまるで明治維新後の文明開化。それまで当たり前とされてきた2D文化が否定され、誰もが新しい3Dに夢中だった時代。

 

そんな時ロックマンXはどうしたか?

世界観を強化すること」で進化、生き残りを図ろうとしていた。

マリオのように3Dに生まれ変わろうとはしなかったのだ。

 

ロックマンX3」で次世代機進出の足掛かりをつかむと、「ロックマンX4」で本格的な挑戦を始めた。

ドットグラフィックがより緻密になり、SFC時代よりも情報量の多い画面になった。

OPや各章の合間にアニメーションが追加され、SFC時代よりもクッキリと世界が描写された。

ボイスにより、キャラクターの輪郭・存在感、がよりはっきりとした。

そしてストーリーは、レプリロイド(ロボット)の軍隊が反乱を起こし、レプリロイドだけの国家を作ろうだなんて、いかにも未来にありそうな事件が展開された。

そしてシリーズ4作目にして、もう一人の主人公ゼロが遂に本格的なプレイアブルキャラになった。

 

が、それも思ったような売り上げにはつながらなかった。

アニメの導入やグラフィック強化など、巨費の投資があったと推定できるが、売り上げ本数は前作以下にとどまったのだ。

 

X4は確かに良いデキだった。

だが出た時代が悪かった。

3Dという波は、2Dが抵抗するにはあまりにも巨大すぎた。

 

 

2D横アクションの現在

江戸時代の遺構が現在で完全に無くなったわけではないように、現在も2D横アクションは存在している。云わば、大相撲のようなものだ。

 

しかしながら2D横アクションはビデオゲームのメインストリームではない。現在、マリオやドンキーコング、カービィといった昔から続くシリーズ以外は、メジャータイトルが無くなった。

国内では任天堂以外の大手企業は、ほとんど開発することが無くなったジャンルだ。

 

その代わりに、インディーズゲーム界では参入しやすいジャンルとなっている。

 

現在では、ビデオゲームの開発規模が当時とは比較にならないほど巨大になった。

同時に、開発期間も長くなった。

 

2D横アクションは大企業が巨額の予算と時間をかけて開発するものではなくなった。

創作意欲が豊富な個人、または少数のゲームクリエイターによって紡がれていくものとなった。

 その中には、ロックマンに影響された作品も多数存在する。

 

 

ロックマンXアニバーサリーのレビュー

 

さて、少々前置きが長くなったが、ここからは2018年7月に出た「ロックマンXアニバーサリーコレクション」に話を戻そう。

 

このゲームは、新しいものではない。90年代に、あの時代に一瞬だけでも帰ってみたい人が遊ぶゲームだ。

 

 これを機に新しく遊ぶ人もいるかも?それはよっぽどのもの好きだ。

少なくとも、現代の10代がこぞってプレイすることは、まあ有り得ない話だ。

 

もし、今まで無印のロックマンやXをやったことがない、という人が遊ぶのならば 、何をおススメすればいいのか正直分からない。

 

2D好きで、ある程度のマゾヒストで、古典を愛す心を持ち、3300円くらいのお金は惜しくないという人ならば、きっと楽しめるはずだ。

 

X1~X4までの操作性

 

やることはジャンプとショットとダッシュくらいで、非常にシンプルな操作性。

 

だが実は、デフォルトの操作性は悪い。

ショット、ジャンプ、ダッシュという重要な操作ボタンが全て右親指に任されている。

当時は割とこれが普通だったが、今思えばおかしな所だらけだ。

親指だけで3つのボタンを同時に押すのは人体を改造する必要がある。それか腱鞘炎になるかだ。

 

キーコンフィグで、これらの操作を他の指のボタンに割り振れば、多少操作は楽になる。

 

 それでも、熱中してプレイしていたら指がすごく痛くなった。

 

ローディングの早さ

 

流石は最新機器で遊んでいる、と感じるのはローディングの速さだ。

あんなにノッソリしていたPS版のX4とはまるでロード速度が違う。一瞬だ。

最もテクノロジーの進歩を感じた部分だった。

 

 

グラフィック

 

実は微妙にグラフィックも進化している。昔のテレビは小さかったので、画面がジャギジャギな感じはしなかっただろう。

いや、本当は当時から気づいてたけど、気づかないフリをしていただけだ。

だってそれ以上の画質なんて見たことが無いのだから。

 

今見ると、どうしてもSFCやPS世代のゲームなんかジャギジャギだ。

そのため開発チームは、解像度を上げて、エックスたちを滑らかにした。

 

もちろん、当時並のジャギジャギ画質にして楽しむこともできる。

 

新しい要素

 

このゲームは古い物置きから発見された骨董品だ。

このままで現代の市場に出すのを気兼ねしたカプコンは、新しい要素を追加した。

 

新要素1:初心者モード

1つは、初心者用モードである。

穴に落ちてもトゲに触っても即死ではなく、被ダメージを大幅に下げるというモードである。

 

これが恐ろしいまでに簡単だ。幼稚園児でもすぐにシグマを倒せるだろう。

 

だが、普通にやるとロックマンXシリーズは難しい。昨今のゲームしか遊んでいない世代の子達は昔のような根気のいるゲームは苦手だ。

おじさん達も反射神経が落ちて、ゲームが下手になっている。長時間遊ぶスタミナもゆとりもない。

だからこのモードは、結構ありがたいといえる。

 

真の喜びを味わうには、普通のモードでやった方がいいけどね。

このモードで遊んでいても、達成感が無くて、すぐに虚しくなるだけだ。

 

新要素2:ミュージアム

昔を懐かしむ、かつての少年少女に向けたモードだ。

ロックマンXの素晴らしいBGMを存分に聞くことができる。

エックスやゼロ、各ボスキャラの設定画もいくらでも見ることができる。

 

勉強や仕事のBGMにもうってつけだ。

私もこの記事を書くときに、バブリー・クラブロス面のBGMを作業用に聴いていた。

 

新要素3:Zチャレンジ(ボス2体同時攻略モード)

2つ目はロックマンXシリーズを過去に遊んでいて、腕に覚えありな人向けのモードだ。

8大ボスなんてどれも攻略パターン覚えちゃって、負けるわけないよと豪語する人は、ぜひこのモードを遊んでみるといい。

 

アイシー・ペンギーゴとフロスト・キバトドスが2体同時に襲ってくるだけで、結構手ごわい。

 

私も何度か挑んだが、想像以上に進めなくて困った。

もっと上級になると、ゴッドカルマシーン・O・イナリーとドップラー博士のタッグなどとも戦えるらしい。

勝てる気がせん。

 

 

また、このモードでエックスが着ているアーマーはオリジナルのものらしい。

 

どのプラットフォームがいいのか?

 

私はお手軽に配信がしたかったのでPS4のDL版を選んだ。PS4のいい所である。

 

しかし、ただ遊ぶだけならスイッチ版がベストだと感じる。携帯モードでも遊べるからね。画質も差がないし。

パッケージでもDL版でもそこまで大きな差はないだろう。私の過去記事も参考にして欲しい。

 

www.mikai.jp

 

PC版は色々めんどくさい予感しかしない。やはりCSで出たゲームなのだから、「今の」CSで遊ぶのがベストだろう。