FF7リメイク体験版には、ほぼポジティブな印象。
私はファイナルファンタジーシリーズ(以下FF)の想い出は、それほどない。
FF15とタクティクスアドバンスを遊び、後はアニメのアンリミテッドを見たくらいだ。
しかし、それ故にFF7に対する思い出補正がなく、フラットな目線で語ることができる。
今回は、そんな私が無料で遊べるファイナルファンタジー7リメイク体験版を遊んだ感想やレビューを、お伝えしていこう。
以前遊んだFF15は、世間では酷評されていたが、私は「雰囲気は最高」のゲームだと思った。
気の置けない男仲間たちの、のんきな友情ドライブツアー。
そんなFF15により、私の中のFFのイメージは、かなりポジティブになった。
だから、FF15からいくつかの要素を受け継いだFF7リメイク(以下FF7R)についても、今非常にポジティブにとらえている。
ただただ圧巻の、類を見ないビジュアル!
"鳥肌が立つような リアルなグラフィック"には、近年中々お目にかかれないものだ。
というのも、オリジナルFF7が出た頃、3Dというだけで斬新だった黎明期と違い、我々ユーザーの目はすっかり3DCGに慣れてしまったからだ。
今やリアルなCGなどありふれた物となり、ちょっとやそっとのCGモデルでは「よくできてるな。まあこんなものか」くらいにしか思えない。残念だが、想像力で補っていた時代とは違う。
それに日本ではアニメ調の3DCGが人気で、あまりリアルさで勝負する会社は少なくなった。アニメ文化の日本の強みでもあるから、それはそれで素晴らしいが。
しかし、FF7Rはどうだろうか。スクウェア・エニックスはまるで禁忌の錬金術を使ったかのように、「人間の体」を作り出している。
肌や髪、眉毛の質感、派手になりすぎない色使い、本物の人間のように微妙に左右非対称な顔……。
途方もない開発期間をかけただけある。グラフィックはどれをとっても素晴らしい。言葉を並べるよりも公式サイトで画像やYoutubeを見た方がいいだろう。
『FINAL FANTASY VII REMAKE』プレイ動画② 美麗に再構築された八番街での戦闘
例えばティファのビジュアル。
彼女は、妖艶な美貌の持ち主で、昔からスタイルの良いコスプレイヤーさんが、コスプレしていたものだ。プレイしてなくても知っている。
公式サイトでも、美人のレイヤーさんを雇ったようだ。
参照:
ティファ・ロックハート | CHARACTER | FINAL FANTASY VII REMAKE | SQUARE ENIX
というジョークを真に受けてしまう人がいそうな程「本物の人間」に近づいている。
FF15ではムービーパートとそうではない部分ではクオリティの差を感じたが、少なくともFF7R体験版では
ボイスの掛け合いはFF15の良い点を継承
FF15で良い点だったのは、戦闘中やダンジョン攻略中にも、主人公や仲間の掛け声などが頻繁に入ってくることだった。
RPGにありがちな沈黙や静寂はなく、それはもう、やかましいくらい賑やかであった。戦闘中に写真撮ってる奴もいるし。
FF7Rでも、その点は継承している。ちょっとうるさいくらい、キャラが喋りまくる。
主人公クラウドも櫻井孝宏氏の魅惑ボイスで、クールだがよく喋る。櫻井氏のファンなら、脳がとろけそうになることだろう。
スマブラでも同氏が演じているのだが、本家の方がよりクールに感じた。
バレットというキャラは、聞くところ原作ファンからは渋いキャラとして認識されていたようだが、とにかくお喋りで、かつ情緒不安定である。
何かドラッグをキメて、不安から逃れようとしているのかもしれない。
FF7Rの方はFF15のようにお気楽な雰囲気ではなく、より殺伐としている。
その点は、好みが分かれるところだ。私個人としては、FF15の方が能天気で好きだったけどね。
さらに通常パート、イベントパート、戦闘パートと画面の切り替えもなくシームレスで、よりライブ感・没入感を楽しめるようになっている。
「さあこれからムービーがはじまるぞ」なんて大げさな前フリは、FF7Rには存在しないようだ。
これらの要素は、グラフィックと合わせて、「キャラクターたちが今ここにいる感じ」を高めてくれているのだ。
戦闘システムは、15より向上したと言えるかは微妙だが、歯ごたえは増した
FF15の戦闘は楽しいが、がっつり遊んだ人なら、実は「雰囲気戦闘」だったという事に気づいていただろう。
見た目だけは非常にスタイリッシュだが、実はボタン押しっぱなしのゴリ押し、回復アイテムがぶ飲みでクリアできた。
FF15では、戦闘の全ては"スタイリッシュさ"や"仲間との掛け合い"を楽しむための舞台装置であり、戦略性やアクション性といったゲームとしての楽しさは、ひとまず置いておかれた。
あ、ぶら下がりながら回復という点はちょっとスタイリッシュじゃなかったな。
さて、FF7Rではさすがに戦闘が見直された。
殺伐とした世界観に似合った、戦いに勝つか負けるか、という緊張感を持てるゲームとなった。
システムは現代風なリアルタイムアクションをベースに、古風なコマンド式がミックスした形だ。
FF7Rで戦闘のアクションは「動いて斬る」というシンプルなものである。
「動くことにより、回避の概念が生まれた」「敵の背後をとることも重要」というなんだか当たり前のようなことが、FF15より進化した点だ。モンハンやPSOに近づいたかもしれない。
一挙手一投足がめちゃくちゃスタイリッシュで、なんだかカッコいい気分になってくるのだ。
ただこれにより、FF15よりも戦闘の難易度は増した。ちゃんと雰囲気だけじゃない戦闘が楽しめる。
それが嫌な人は難易度イージーを選べばいい。
またスキルや魔法などのコマンドを選ぶ際は、時間停止状態になる。これは少しテンポが悪くなるのは否めない。
昔ながらの"FFらしい"コマンドバトル要素を入れたかったらしいが……。
今どきの4Kテレビに「ダイヤル式のつまみ」が付いていても、別に誰も喜ばないはずだ。
それとも、昔からのFF7ファンは、「これこそFFだ!」と安心するのだろうか。まあ、私もポケモンがリアルタイム戦闘になったら困るから、分からなくはない。
せめて魔法やスキルは、例えば「ゼノブレイド」のようにショートカットでノンストップに選べた方が爽快だ。
せっかくのリアルタイム戦闘なのに、コマンド選択で無駄に時間が止まってしまうのは、興奮が少し冷めてしまう。
それが私の見解だ。
とはいえ、そこまで不満があるわけではない。戦闘システムは100点ではないが、概ね満足だ。
素晴らしいグラフィックとキャラボイスの掛け合いで視覚と聴覚を満たせば、戦闘システムなどどうでもよくなるからね。
なんなら、あの大剣をブンブン振り回してるだけで気持ちいい。
欠点は「高い」ことと、さらにこれが分割の1作目であること
ただこれだけは言いたい。「高い」と。
これだけのグラフィック、莫大な開発費をかけて作ったのは、誰だってわかる。
それ故に、一般庶民が手を出しづらくなってしまった。9800円という価格は現代では少し高級ゲームだ。90年代頃のソフト価格に相当する。
(Amazonだとちょっと安くて8000円くらい)
数千万や億越えのスーパーカーは、どんなに高性能で優れていても、一般庶民が買うことはできない。指を咥えてみているほかはない。
特にDL版を買う際は、売ることができないので注意したい。
ただ、スマートフォンゲームに数万円課金するよりは、FF7Rを買った方がよほど有意義であると断言できる。
駄菓子1千万個買うのと家を一軒買うのとでは、家を買った方が有意義なのと同じだ。
また今作は、シリーズの1作目であることは、ちゃんと知っておくべきだろう。
それだけ、壮大な作品だという自負があるのだろうが、具体的に「何作中の1作目」なのかを明言されていないのが、気がかりだ。
さらに、このゲーム発表から5年も作っていた開発チームの凝りっぷりは皆さんも知るところなので、2作目もいつ出るか分かったもんじゃない。
以前、私はいつまでも発売しないゲームリストに入れていたくらいだ。
2025年まで待つ覚悟を持った方がいい。
FF7リメイクの感想&レビューまとめ
- グラフィックは圧倒的。
- ボイスが賑やかで楽しい。
- キャラクターの現実感がすさまじい。
- 戦闘システムは15よりやり応えは増した。面白さはそこそこ。
- 少し値段が高い。
- 複数作の1作目であり、2作目はいつ出るか分からない。
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