ポケモン・オブ・ザ・イヤー2020で起こったこと。
2020年2月27日、Pokemon Dayに発表された、世界規模のポケモン人気投票結果について考察していきたい。
結果はこちらから→https://pokemonday.pokemon.co.jp/jp/result/
今回は、主に総合の順位だけを見るが、それでも、語りつくせないほどのポイントがある。
【 予想記事↓】
簡易まとめ
- 総投票数は6,608,215票。前回の総選挙は約56万票なので、12倍弱。
- ゲッコウガが圧勝、連覇。2位に約4万票差。他を寄せ付けない得票数。
- 4位リザードンと、5位以下の得票数も2万5千票以上の差がある。
- ベスト10で剣盾内定済みでないのはゲッコウガだけ。内定済みで未登場もガブリアス、レックウザだけ。
- ピカチュウは19位に終わる。
- 御三家は進化後・前合わせて7体が総合30位以内にランクイン
- 伝説のポケモンはレックウザとルギアだけがランクイン。
- 幻のポケモンは誰も総合30位以内に入れず。
- 600族はガブリアスやドラパルトほか4体がランクイン。
- ブイズは3体がランクイン。
- "一般ポケモン"の進化前で、唯一ユキハミが30位にランクイン
- 30位以内のポケモンをタイプ別に見ると、ドラゴンとゴーストが6体ずつで最多
ゲッコウガ、圧倒的な連覇
ゲッコウガ140,559票で1位。ポケモン総選挙720と合わせて連覇を達成した。
2位ルカリオに38,300票の大差をつけて圧勝したのは、予想外だった。
剣盾に出ていない、という点は不利かと思われたからだ。アニメで活躍したのも、もう4、5年前のことだし。
しかしフタを開けてみれば、前回以上の圧勝だった。やはりニンジャは、海外で圧倒的な人気があるということか。
今回は、世界規模な投票だった。それがゲッコウガに「おいかぜ」を吹かせた。
1番ゲッコウガの人気を支えた点を考えるなら、それはスマブラSPだろう。
世界で1700万本以上売れたこのタイトルの影響は、計り知れない。
ポケモンをやらないゲーマー層にも、訴求力があった。2位がルカリオなのも、スマブラSPの影響の大きさを物語っている。
スマブラでは本家以上にグリグリ動くゲッコウガが堪能できるし、カッコよさは本家以上だ。
また、人気がありながら剣盾に未だに内定していないことで、「ゲーフリにメッセージを送らなければ」と思った人達が大量に行動したとも推測できる。
それにしても、これだけ接戦が多かった中、2位に4万票近い差というのは驚きだ。ゲッコウガの人気の根強さは、本物だ。
ピカチュウどうした?まさかの19位
私の予想では、ピカチュウはなんだかんだで1位か、悪くても5位前後と見積もっていたので、まさか19位とは……。最も衝撃だった。
19位という結果は、普通のポケモンからしたら悪くない順位だ。
ただアニメ開始以来、ポケモンの看板を23年背負ってきたピカチュウにとって、この順位は不名誉で、大失態である。
競馬だったらGⅠの出場権も得られていない。
4年前の総選挙では、4位だった。ニンフィアやリザードンにも勝っていたのに何故……。
シンプルに考えれば、ピカチュウは4年前よりも人気が落ちている。看板キャラとして由々しき事態だ。
また、今回は海外からの票が多かったので、全世界的には、現在ピカチュウの人気はそれ程でもないということだ。
何故ピカチュウは順位が下がったか?
ミミッキュというライバルの登場
前回と違い、ピカチュウには強力なライバルが登場した。
それがミミッキュだ。
奴は何と、人気者ピカチュウにあやかろうと、その被り物をしているという設定なのに、ピカチュウの2倍もの票を獲得した。偽物が本物を圧倒したのだ。
ミステリアスで恐怖やを感じさせる存在であり、そしてバトルでも強い。
海外票が伸びなかった
実は人気は下がっていないのではないだろうか?
前回の人気投票は、国内規模だった。今回は、世界規模の投票となった。
並列して語ってしまいがちだったが、実は前回と今回では、まるで趣が異なる。国内大会と世界大会のようなものだ。
実は海外ではピカチュウ人気はそれほどではない……。ということが明らかになっただけ、と言えるのではないか。
それを裏付ける確固たるデータはないが、アメリカや中国でもポケモンアニメが放送されているのに、この有様なのだから、おそらくあっているのだろう。
今後、ポケモンのブランド戦略を見直す時期が来たら、必ずしも看板を背負うのはピカチュウではないかもしれない。
アニメでも、サトシがゴウに完全にバトンタッチしてしまうとかね。
ただ、ピカブイで共に看板だったイーブイにかろうじて勝ったことは、最低限の面目を保ったというところか。進化形に負けたとはいえ。
伝説・幻ポケモンは伸び悩む結果に。
禁止伝説級のポケモンはレックウザ(8位)のみがトップ10に入り、トップ30までを見渡してもルギア(15位)だけという、寂しい結果に終わった。
昨年の映画で大活躍したミュウツー(カントー8位)ですら総合ランキングに絡めないのは、意外だった。
幻のポケモンに至ってはベスト30に一体も登場せず、どうやら前回の人気投票は、物欲のためだけの"幻の人気"だったことも、明らかになってしまった。(アルセウスですらホウエン8位)
※シンオウ8位でした。3/7訂正
準伝説のポケモンはさらに苦戦しており、わずか3、4か月前まで、あれ程対戦で人気だったカプ神達もカプ・コケコがアローラ25位。あとはランク外という悲しい結果に終わった。
またランドロス・ボルトロス・トルネロスの3体はすべてランク外だった。
今回の投票方式では、図鑑順で後ろの方のポケモンは目に留まりにくく、不利だったようだ。
御三家は安定の人気
逆に御三家(最初にもらえる3匹や、その進化形)は、投票欄が投票者のすぐ目に留まるところにあったので、有利だった。
良いお店でも、人目につかない所にあっては収益は伸びないだろう。立地は大事だ。
圧倒的な人気だったゲッコウガは例外かもしれないが、チャンピオンの切り札でもあるリザードン(4位)、図鑑番号ナンバーワンのフシギダネ(13位)など、安定の人気だった。
モクロー(16位)、ジュナイパー(22位)と、同系統でダブルランクインしているのは素晴らしい。これはブイズ以外では、彼らだけだ。
ジュカイン(28位)、バシャーモ(29位)も、剣盾に出番さえくれば、もっと順位が伸びていただろう。
ブイズはほとんどランクインするも1種だけ……
イーブイとその進化系は、上位に続々とランクインした。
アメリカ人は「マイリトルポニー」のように4足歩行するケモノが大好きな人が多いので、5位ブラッキー、6位ニンフィアなどは海外票が多かったと推測できる。
地方別ランキングでも、ブイズはみんなランクインした
ん、誰か忘れているような……。
そう、「唯一王」ことブースターだけが、カントーでもランク入りを逃してしまったのである……。
ちなみにファイヤーもランク外で、ウインディ(カントー8位)やキュウコン(カントー12位)に完敗した。
600族は人気。
やはり世界中のトレーナーも、強くてカッコいい600族は大好きなようだ。
元レートの主人公、ガブリアスが7位。
ランクマッチを席巻する、新鋭のドラパルトが11位でガラル1位。
バンギラスが12位、サザンドラが27位と、実力と人気を兼ね揃えたポケモン達であることを証明した。
フライゴン、地味に躍進。
どうやらフライゴンの人気は、国内だけに留まらないらしい。総合26位で、サザンドラをわずかに抜いた。
まあ、残念ながら人気でもガブリアス(7位)には敵わない。
今作バトルでの使用率の低さは、別にガブリアスのいる居ないは、あまりフライゴンには関係ないことを物語っている。
ドラパルト、サザンドラ、オノノクス、ドリュウズがいないルールなら、チャンスはあるのかもしれないが……。
"超新星"ユキハミ
ガラルのポケモンで予想外だったのは、ユキハミの躍進である。なんと無名の新人ながら、38,034票も獲得し、総合30位に入った。
謎の組織票があったのかは知らないが、進化後モスノウもガラル26位と健闘しているから、いたずら目的の組織票ではないと判断しよう。
ユキハミは「一般ポケモンで、進化するポケモンの進化前」という条件で、唯一総合ランキング入りを果たした。
※ここでいう一般ポケモンには、御三家やピカブイを除く。
ゴマアザラシのような、愛らしい見た目が、多くの人のハートをつかんだのだろう。
890種と24年の歴史があるポケモン界で、公式側に推されてもいなかった新参ポケモンが先輩方を押しのけてランク入りするのは、並大抵ではないことだ。
ユキハミこそ、今一番ホットなシンデレラポケモンと言えるだろう。
終わりに
次回は、地方別により詳細なデータを見ていきたい。
また、全順位が公開されることを願っているよ。それは最下位を予想した私の野次馬精神だけが理由ではない。
純粋に、今のポケモン界の情勢を知りたい、その気持ちも確かにある。
ただ、どんなポケモンにも投票した人がいるはずで、その結果を開示することが、投票者や人気のないポケモンに寄り添うことになるはずだ。
何の話題にも挙がらない……。それがキャラクターとして、一番哀しいことだからね。
それに投票数が少なければ少ない程、むしろマイノリティの誇りをもって、投票者やポケモン達は力強く前を向けるのではないかな。
私の友人は「ラブひな」の人気投票でカオラ・スゥに投票したが、カメよりも人気がなくて泣いたらしい。
それでも、自分の入れた1票を誇らしげにしていたことを思い出す。