ゴルフストーリーは100人中98人が過小評価する
3月8日のニンテンドーダイレクトはニンテンドースイッチ版スマブラで大いに盛り上がった。
故に、それ以外のゲームなど誰の記憶にも残らなかったに違いない。ましてやゴルフのインディーズゲームなど誰の目に留まったというのだろうか。
多分貴方はこの動画を見て、「一発ネタのゲームだ」などと思ったはずだ。アキラ100%やサンシャイン池崎のようなね。
私も同意見だ。ただ私は好奇心旺盛だったため、90年代からやってきたようなこのインディーズゲームを買ってみた。
確かにこのゴルフゲームはネタで豊富だ。様々なゴルフの課題をこなす以外にも、宝探しをしたり、動画のように殺人事件の謎を解いたり、ゾンビが出てきたりと……。まあネタには事欠かない。2Dゼルダのような仕掛けもある。
「ゴルフ」よりも「ストーリー」の方、つまりRPGが重視されていることは、開発者も強調しているようだ。
そして「ちょっとだけ」遊べるのがいい。大げさな4K画質のグラフィックもVRも必要ない。
情報量の少ないドット絵、少しの時間で遊べるユニークなミニゲームの数々、そしてやはり少ない時間でテンポよく遊べるゴルフシーン、そのおかげでサクサク進められるストーリー。
これらはこのゲームの魅力であるが、何と言っても最大の魅力は「ストーリーが良く、みんなキャラが立っている」ことだ。
癖だらけのメインキャラ達を紹介
主人公
リーゼントヘアーで、ガラが悪そうな外見の主人公。人にゴルフボールを投げつけたり小銭をくすねるなどヤンキーな一面はあるが、割と性格は真面目というかイエスマン。
子供の頃プロゴルファーになりたかったが、そこから20年の空白を経てようやくプロを目指せる決心がついたらしい。 それまで何をしていたのだろうか?あるいは環境に恵まれなかったか。
詳細な年齢は不明だが、上記の描写から30歳前後だと思われる。そして驚くべきことに妻帯者である。子供はいない。
そう、つまりアラサーの彼は妻をほっぽり出して夢を追うことを選んだのだ。素敵じゃないか。やはり持つべきものは嫁より夢だね。風の大地の主人公だって京都大学を中退してプロゴルファーになったし。
コーチら曰く、フォームは最悪だがゴルフの才能はあるらしい。
ラーラ
ヒロイン的な存在。いわゆるツンデレで、毒を吐きまくる。他人には厳しが自分には甘い。名前がプリパラの主人公らぁらちゃんに似ている。紫髪だし。
主人公と同じコーチの弟子。彼女もプロゴルファーを目指しているらしいが、とにかくヘタクソで、どこにボールを飛ばすかわからない。でも大体「今日はたまたま調子が悪かった」などと言い訳するので始末に負えない。
女性のコーチと出会ってからは、色々改善されて大分マシになった。
なんだかんだで主人公の行き先についてくることが多い。主人公が妻帯者であることをどう思ってるのかは不明。
主人公のコーチ
胡散臭いコーチ。
最初は主人公のゴルフをけちょんけちょんに貶し弟子入りを拒否するが、主人公に才能があることが分かってからは真剣に教えるようになる。
そのように調子がいい所はあるが、主人公のことはきちんと育てたいと思っているようである。
一方で、彼のゴルフの腕前は疑問符が付く。若い頃は300ヤード飛ばしたと豪語するが、主人公とペアプレイした時はティーショットしか打たないのにショートしてしまう程。
指導者としての実力も怪しい。レッスン1回あたり14.25ドル受け取っているはずだが、ラーラ達教え子たちは、揃ってゴルフが下手である。
また、ネットの評判を気にしており、煽りにすぐ反応してしまうことも。
ラーラのコーチに気がある。
ラーラのコーチ
堅実なショットを打つ女性のコーチ。
主人公のコーチよりもだいぶまともなコーチで、ラーラのゴルフを大幅に改善させた。
テディ
主人公が来るまでは、おじさんコーチの1番弟子だった。
プライドが高い嫌なライバルキャラかと思いきや、そうでもない。ラーラに比べると出番が少ない。
自分の実力が足りないことを思い知ると、キャディへの転向を考えたり。才能に溢れ夢見がちな主人公と対極的な、現実主義的な人物。
ラッキィ
イヤな奴その1。主人公が所属するクラブのオーナーで、カネに汚く悪どい経営をしている。その一方で、クラブのコースは雑草やモグラをほったらかしで、荒れ放題。
主人公を手駒にして金儲けしようと企む。
主人公の嫁
主人公の妻だが、別にヒロインではない。
自分を捨ててゴルフをとった主人公に呆れ、他の男と一緒になっているようだ。主人公がゴルファーを目指す以前から、2人の関係は悪かったと推測できる。
そんな関係だがまだ離婚は成立していないようで、主人公が賞金を獲得すると妻だからという理由で半分を持っていってしまう。なんで結婚した。
マックス・ヤード
イヤな奴その2。有名なプロゴルファー。主人公をバカにしてくるライバルキャラ。
彼は飛距離はすごい。彼のドライバーショットにはロケット発射のようなエフェクトが付き、勢いよく300ヤードは飛んでいく。
だが、コントロールが怪しい。しばしばフェアウェイには乗せられないし、グリーンへのアプローチショットもオーバーしてしまう。
ミスした時もコースやグリーンが悪かったと何かのせいにしがちで、本当に一流プロゴルファーなのか甚だ疑問である。
テンポのいいゴルフシーン
ゴルフと言ったら、まずはティーグラウンドに向かい、ひたすら穴を目指す。これを18回繰り返す。
少し面倒だという人に朗報だ。このゲームは9ホールしか回らなくて良い。
退屈なローディングもなく、ポンポン進んでいく。
グリーンの傾斜が読みづらい欠点はあるが、ストレスなくゴルフを楽しめる。
HD振動を巧みに使いこなしている
実はこのゲームは、インディーズゲームとは思えない程に技術面も優れたアイディアを採用し、実装に至っている。スイッチのHD振動を巧みにつかいこなしている。
ボールが谷底に落ちた時、または登場人物が気の抜けるような発言をした時「ヒョロロ~」というSEが流れる。
実はこの音、振動で出しているのだ。振動をSEにしてしまおうという発想がすばらしい。
ボールをぶつけるのが楽しい
グラセフで人を撃ちまくるのはやり過ぎだとしても、NPCにちょっとイタズラしたいと思うのは最早ゲーマーの性である。
ゴルフストーリーなかなか面白い #NintendoSwitch pic.twitter.com/1U961I2aGL
— 伝説の逃亡者(やすおか) (@Legend_Teio) 2018年3月13日
こんな風にボールをぶつけるキャラごとに違うセリフを言ってくれるので、ついついぶつけたくなる。
ぶつけられた反応は人それぞれだが、みんな怒ったり、「そういう人だとは思わなかった」「そんなことやって楽しい?」ということを言ってくるので、すぐに子供の頃のイタズラした時を思い出して、私は反省した。
そして反省した後は、また思い出したかのようにボールをぶつけだした。子供のころから何も変わっていない、イタズラ好きな大人であることを実感したよ。