ポケモンアニメ最新作はダブル主人公だって~!?
ダブル主人公、と聞くと世のアニメファンはあまりいい顔をしない。
そのうえ、前作までの主人公+新しい主人公と聞くと、さらに大勢の人が眉をひそめる。
人々の多くは、「ガンダムSEED Destiny」における最終話の悲劇を知っている。
現役の主人公が作中で降板され、前作の主人公がラストを飾り、EDクレジットでも1番上に表記されるという悲しいお話だった。
またポケモンアニメを作っているOLMの他作品でも、「イナズマイレブン オリオンの刻印」という過去最悪レベルの駄作が9月にオンエアを終えたばかりだ。
こちらは、トリプル主人公+前作主人公とそもそも欲張りすぎだったうえに打ち切りエンドだったから、なお酷く感じたのだがね。
OLMなら「ダンボール戦機W」も典型的な前作主人公+新作主人公だったし、「ベイブレードバースト 超ゼツ」も現主人公が前作主人公を早々に破るという展開で、視聴者を驚かせた。
だが新主人公が、前作主人公以上に愛される存在になったかと聞かれれば、疑問が生じる。「アイドルタイムプリパラ」なんかもそう。
前作主人公と新主人公が同じ画面に共存していると、どうしても新主人公は影の薄い存在になってしまう。
というか、「次回作にまで登場してしまう前作の主人公」という時点で、キャラクターとして強すぎるのであろう。
新主人公からしたら、スタートから不利すぎるのだ。
ましてや、新主人公のゴウの相手は、22年半の間ポケモンの看板を譲らなかったサトシさんだ。もはやゴウの影が薄くなることは既定路線だ。
キースタッフから、新作の予想をする
今回の記事では、キースタッフ(主に監督と脚本)から、新シリーズがどういう物になるのか予想をしたい。
冨安監督、小平副監督らが続投
これまでのアニメポケモンでは、シリーズが変われば監督を始めとしたキースタッフも交代するのが通例であった。
私は今回もそうなるだろうと予想したが、そうはならなかった。
冨安大貴監督・小平麻紀副監督の2人が、冨安総監督・小平監督と少し役職を変えて、そのまま続投する。
また、無印からずっと総監督を務めた湯山邦彦さんは「クリエイティブスーパーバイザー」というよく分からない役職になる。
おそらく総監督のさらに上の役割で、監修と総監督の中間のような役割を果たすのではなかろうか。
いずれにせよ、現場では冨安さん、小平さんとも高く評価されているようで、私もいち視聴者として、異論はない。
副監督だった小平さんが監督になることで、現場トップの関係が少し変わる。が、基本的にはサン・ムーンの作風が受け継がれていくことになるだろう。
超豪華!脚本家陣
集大成感のある新アニメポケモンでは、まさに今のアニメ界を代表する、そうそうたる脚本家達が何人も名を連ねる。
吉田玲子
代表作
「ガールズ&パンツァー」「けいおん!」「カレイドスター」など
やすおか評
吉田玲子さんは、細やかな心情描写やキャラ付けに定評があり、複雑な人間関係を上手くまとめて、イキイキと見せてくれる。
過去作への参加
人気作家だが、実はポケモンへの参加は、今作ではじめて。ライバルであるデジモンに、初代から携わっていた。
米村正二
代表作
「仮面ライダーカブト」「スマイルプリキュア!」
やすおか評
ギャグ回は面白い。一方で、シリアスな展開の終盤で上手く畳むのが苦手。
過去作への参加
本数は少ないものの、初代からずっと参加していた。初脚本回は、無印のポリゴンショックで延期になった回「イワークでビバーク!」だった。
それまではゲスト的な扱いだったが、「サンムーン」では主力脚本家の一人になった。
新シリーズでは、ついにシリーズ構成を任されるまでになった。
主な担当回
「カントーでアローラ!タケシとカスミ!!」
今や初代を知る数少ない書き手になった米村氏は、タケシとカスミの再登場回を任された。
赤尾でこ
「三重野瞳」名義で、歌手や作詞家としての顔も持つ。というか、元々そっちが本業だ。
作品によっては、脚本と作詞の両方を担当することもある。ポケモンでもそうなるかもしれない。
代表作
「プリティーリズム・オーロラドリーム」「荒川アンダー ザ ブリッジ」など
やすおか評
ぶっとんだ展開に、時々感動させるストーリーを織り交ぜてくるのが得意な印象。しばしば、ぶっとんでるだけで収拾がつかないことも。
良くも悪くも、元気いっぱい。
過去作への参加
なし。作詞や歌手としても出ていなかった。
藤咲淳一
代表作
「BLOOD+」(監督も担当)、「ピカイア!」、「獣の奏者 エリン」
やすおか評
過去には結構エグイ作品を作っていた。が、ポケモンサンムーンでは、キャラクターの成長エピソードを描くことが多かった。
主な担当回
サンムーンから参加。
サトシのリーグ初優勝の決勝(138話、139話)を書いたのは藤咲氏だった。
他には28話「熱闘ポケベース! ねらえ逆転ホームラン!!」というギャグ回も。
土屋理敬
代表作
「プリパラ」「MAJOR」
やすおか評
「Lostrage」ではドロドロの不仲展開から和解して仲良くなる展開が、個人的には好きだった。
女児向けの「プリパラ」や「ここたま」でも、マイルドだが似たような展開がある。
常軌を逸した脚本がプリパラでは、最も正気の脚本家だった。
待田堂子
代表作
「らき☆すた」「THE IDOLM@STER」「SHOW BY ROCK!!」
やすおか評
女の子のほのぼのとした日常から、少し刺激的な日常までいろいろ書いているイメージ。たまにスポ根。