2018年は国内eスポーツ元年?ポケモンは?
今では信じられないことだが、かつてサッカーは日本国内ではマイナーなスポーツに過ぎなかった。
それが1993年にJリーグが出来てプロ選手・クラブが認定されて以来、メジャーなスポーツと捉えられるようになった。
現在はJリーグがややマイナーな存在になってしまったのは否めないが、それでも日本代表チームは全てのスポーツの中で1番人気がある。
さて、サッカーから遅れること25年。2018年は日本国内でeスポーツが1993年のサッカーのようになるかもしれない。
5つの団体が連名し、新しいeスポーツ団体が誕生するからだ。差し当たり、5つのタイトルにプロライセンスを発行するようだ。
参照リンク:CESAなど5団体が日本国内のe-Sports団体の統合を発表 - GAME Watch
はて、「モンスターストライク」や「パズル&ドラゴンズ」がプロライセンスを発行されるならば、「ポケットモンスター」だっていずれはプロ化するトレーナーが現れるのではないか?
世界大会の賞金が安いという問題
昨年の暮れ、デジタルTCGのシャドウバースでは世界大会の優勝賞金が100万ドル(約1億1千万円)になることが明らかになった。
シャドウバースに影響を与えたハースストーンも優勝すれば25万ドル(約2750万円)もらえる。
TCGの元祖であるマジック・ザ・ギャザリング(MTG)も同額だ。
ではポケモンは?実はビデオゲーム部門では優勝してもたったの1万ドル(約110万円)である。ちょっと少額すぎて夢がない。
それとは別にポケモンTCG部門は12万ドル(約1300万円)となっている。これはあまりにアンフェアではないか。
もちろんポケモンTCGも素晴らしい。私も子供の頃やっていたし、最近のイラストの美しさには感動する。
だがビデオゲームのポケモンはTCGのそれよりも10分の1未満しか観客がおらず、商業価値が低いのだろうか?あるいは、ビデオゲームの方がTCGよりも10倍ほど優勝するのが楽?
私はそうは思わない。ビデオゲームのポケモンも、バルドル氏やビエラ氏のような世界王者には最低でも10万ドルは与えられるべきだろう。
ポケモンがeスポーツとして地位を確立するには、運の要素を減らし整備する必要がある
ポケモンバトルは運要素が高いジャンケンのようなのでeスポーツに似つかわしくない、という意見がある。
まずジャンケンにも世界大会があることは知っておいて損はない。どうも近年は開催されていないようだが、それでも優勝賞金は100万円程だったらしい。
なるほど、ポケモンのビデオゲームと同じだ。
ただ例えば昨年の世界大会を見て、ポケモンがジャンケンのように単純で自分でも運が良ければ優勝できると思う人は少ないはずだ。
それよりも、ポケモンが運ゲーだと感じてしまう理由として、「不運があまりにも理不尽に作用する」ことがある。「急所」や「技外し」などがそれにあたる。
これらの要素は、時には楽しいものにはなるが、プレイヤーが尊敬される要因にはなり得ない。
「ストーンエッジ」が当たるか当たらないかはハラハラするが、外れたおかげで勝った方のプレイヤーは「運がいいから勝てた」と揶揄されてしまう。
命中不安の技は、勝利プレイヤーの尊敬される理由を奪ってしまう。急所、マヒや混乱、怯み、一撃技、さいみんじゅつ、1割の氷なども同様だ。
もちろん、麻雀やTCGのプロ同士の対戦でも、運の良し悪しが勝敗を決めることはよくある。
これらのゲームとポケモンが違うのは、ポケモンの場合は「不運」を引いた時の影響が試合を決めるほどに極端に大きく、見ている観衆がガッカリする試合になりやすいことだ。
しかもその「不運」は一瞬で、予期せぬタイミングに起こり、見ている人に鮮烈な印象を与える。それは「やはりポケモンは運ゲー」と人々に口走らせるのに十分な理由になる。
これが麻雀やTCGならば、ドローの良し悪しというものはあれど、一瞬で勝敗が決まるレベルの出来事は極めて稀だ。天和でもない限りはね。
そこで私が提唱するのは、当然ながら運の要素を減らすことだ。
運の要素を0にせよ、とは言わない。ただし運が試合を決定的にすることは限界まで減らしたい。
例えば、命中不安の技は外れた時のダメージが0では極端すぎるので、「外れたら何割かダメージ減」と改めるなど。
マヒで行動できないのではなく、「スピードが落ちて技の威力が下がってしまった」、などにすればいい。
急所も、本来は守りを固められ膠着状態になった時の打開のために存在していたはずだ。ならば相手が防御か特防か回避率ランクを上げている時だけ急所に当たるように変更すれば問題ない。
そして仕様を分けるべきだ。今までの仕様は「カジュアルモード」か「クラシックモード」とでもし、運要素を減らした新仕様を「マスターモード」とか「プロモード」とでもすればいい。ストーリーやフリー対戦では前者を採用し、レートでは後者での対戦が望ましい。
abema TVの「Pスポーツ」には期待
ところで、ポケモン公式もeスポーツに関して無関心ではないようだ。
1月24日からAbemaTVにおいてP-Sports〜目指せ、ポケモンバトルマスター!〜という番組が始まる。
番組名からして、ポケモンのeスポーツ化を推し進めようという公式の意図は多少は感じられる。
はじめしゃちょーやお笑い芸人らが出演する番組自体はバラエティ番組よりになりそうだが、どうなるか見てみよう。
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