DEAD CELLS(デッドセルズ)ってどんなジャンル?
今貴方がやりたいゲームジャンルは?
2Dスクロールアクション?
ハック&スラッシュ?
ローグライク?
OK、これらの中で何をしたいか決められないアナタにピッタリなゲームがある。
それが「DEAD CELLS」だ。
「デッドセルズ」なんていうとカッコいいが、日本語訳すると「死んだ細胞」だ。
アニメ「はたらく細胞」とは何の関係もない。
今日はこのゲームをプレイしたレビュー、感想をお届けしよう。
ちなみに、スイッチ版である。
このDEAD CELLSは一言で表せば、シンプル操作の横2Dアクションとローグライクの融合だ。
戦い方はシンプルなハックアンドスラッシュだ。武器を集めてボタンを押すだけ。すると敵が切り刻まれる。
スリリングな2Dアクションと、これまたスリリングなローグライクゲームの融合。
私の印象では「ロックマンゼロ」をローグライクにしたようなイメージ。
毎回構造が変わる監獄を、迫りくる敵を切り刻みながら探索していくゲームだ。
あるいは2D版「ダークソウル」とも言えるかもしれない。過激で楽しいね。
なお海外ではこういうゲームは「メトロイドヴァニア」と呼ぶらしい。
メトロイドと悪魔城ドラキュラを合わせたようなゲームという意味だそうだ。
私はこのどちらもほぼ未プレイだが。
(悪魔城ドラキュラは海外ではキャッスルヴァニアというタイトル名)
ちなみに開発陣はこのゲームのジャンルを「ローグヴァニア」と呼んでほしいようだが、正直、ユーザー側からしたらそんな呼称はどうでもよい。
本来ジャンルというのは、そのゲームを知らない人のために、「あのゲームと似たタイプだ」と教えるためにあるものだからだ。
そこに「ローグヴァニア」だの「オープンエアー」だの新しい名を付けたがるのは、クリエイターのエゴというか、性分とも言えるものなのだ。
直感的な操作、ゲームシステムは30秒で理解可能。
私は「良いゲーム」というのは、触れてすぐに操作やルールが理解できて、それでいてやり込む度に新しい発見があるものであるべき、と考えている。
その点をこのゲームはよく理解している。
DEAD CELLSは海外レビューサイト等で異様に高評価されているが、それは上述の「良いゲームの条件」に当てはまるからだろう。
このゲームはかなり操作性はシンプルで、すぐに理解できる。面倒なチュートリアルもなく、開始早々に自由を感じられる。
プレイヤーは不死身の囚人となって脱獄を目指すゲームなのにね。
(スイッチ版では)Yボタンで敵を切り刻み、Xボタンで矢を撃つか盾で守り、Aでローリング回避すれば大体の攻撃はかわせて、Bでジャンプすれば段差ではシステムが助けてくれる。
このような簡単操作は、何度も遊ぶうえで重要だ。シンプルなハードであるニンテンドースイッチとの相性も良い。
その代わりにアイテムの効果が複雑で、様々な追加効果やコンボが考えられる。
進むごとに敵も多様になっていき、どのように倒すかを考える必要がある。
時折入手するスクロールを使って、どのようにステータスを伸ばすかという楽しみもある。
この辺の戦略性の深さが、まさにローグライク。
簡単操作で手軽に遊べるのに、遊ぶほどにアイテムや敵の特徴を理解し、複雑になっていく。
これぞ良いゲームの特徴である。
リラックスしたい人にはお勧めできないゲーム
「サディスティックな開発」を自称している本作は中々に難易度が高い。
何度も何度も死んでは最初に戻される。
今まで行ったことのない所に行って、充実した装備で戦う。
この時の充足感は素晴らしい。
そして死んで最初に戻された時の喪失感は、これもかなり強烈だ。
1000円で買った株が2000円になって、また1000円に戻った時のようなショックがある。
難易度は高いが、意外にもアクション初心者には優しい?
さて、ここに来る読者の皆さんはこう考えているはずだ。
「相当難しいんでしょ?じゃあ私みたいな下手くそがやってもつまらないんじゃない?」
いやまあ、そこまで卑屈にならなくていい。
私自身も、ロックマンXなどは下手くそであるが、それでもこのゲームは3時間程の苦悩の末、クリア寸前までは行けた。
このDEAD CELLSはロックマンや悪魔城ドラキュラのような本格2Dアクションと、我々がかつて「ローグライクと言ったらコレ」とまで思っていた風来のシレンの「難しい・苦戦する部分」を上手い具合に補完しあっている。
つまりアクションとしての難しさは装備やステータス強化でカバーできるし、ローグライクとしての難しさは逃走というアクションでカバーできる。
DEAD CELLSは、一般的な2Dアクション程、アクションがシビアではない。
敵の攻撃に対する反応速度や操作に自信がなくとも、ステータス強化や装備次第で対処できる。
厄介な敵も、ステータスを上げまくることでワンパンしてしまえば問題ない。
回避モーションは、無敵時間が長くかなり強いので、結構これで誤魔化しが効く。
ジャンプで届くか届かないかという微妙な高さも、システムがアシストしてくれる。
またロックマンのようにトゲや穴で即死が無い。ダメージは負うが、そこまでじゃない。
トゲは触ると赤く染まるほど出血するが、不思議とダメージは少なく軽傷で済む。
そもそも敵に触れただけではダメージが発生しないし。
DEAD CELLSは、一般的なローグライク程、絶望的な状況になることがない。
例えば風来のシレンみたいに、不運にもトラップを踏んだせいで敵に囲まれたりアイテムを全部ロストしたりなんてことは無い。
そういう意味では、リスク管理がしやすい。
頭を空っぽにして敵の集団に突っ込みでもしなければ、そう簡単に死ぬことはない。
危なくなったら全速力での逃走を頭に入れておけば、大体は何とか生き延びられる。
本作では、"同じ高さの床にいなければ基本的には攻撃されない"というルールがあるからだ。
それに敵を倒してレベルアップなんてこともないから、そこまでのリスクを負う必要もないのだ。
最初にこのゲームが「難しい」と感じた理由
その代わりに、DEADCELLSは初期状態では「チェックポイントまで回復できない」という難しさはある。
筆者も最初、回復薬が無かったうちは、「このゲーム難し過ぎないか?」と思っていた。
だがアンロックを進めて回復薬を2回使えるくらいになれば、一気に難易度が下がる。
また初期は敵が異常にスピーディだとも感じた。一瞬でワープして間合いを詰めてきた敵には恐怖を感じたし、最初のゾンビですら急に素早い動きをしてビビった。
しかしこれも慣れてしまえば、なんだ結局、ワンパターンに過ぎないと気づいた。
危なくなったら逃げればいい、ということにも気づいたし。
何度も復活、アンロックでモチベを維持
このゲーム、プレイヤーが死んで復活したらすべてが0になるかというと、そうでもない。
さっき1000円の株価が2000円になって、また1000円になるといったが、実はそうでもない。
株価に例えるなら1100円で下げ止まることが選択できるし、1000円以下になることはない。
(実際にそんな株があったら誰もが買うけど)
ゲームを進めていき、アンロックすると「初期装備」を変更することができるのだ。
初期装備に「回復薬」と「所持金の返金」をアンロックするだけで、難易度がかなり下がる。
特に回復薬は大きい。
不思議なもので、1度回復ができるという安心感があるだけで、大胆なプレイが可能になり、かえってミスが減るのだ。2度ならもっと安心だ。
「私はド下手です><」という人も、ここまでは頑張ってみればいいのではないだろうか。
ちなみにアンロックも簡単。
チェックポイントまで行き、敵を倒すとたまにドロップする「セル」と交換するだけだ。
つまりDEAD CELLSではレベルを上げるのではなく、アンロックを解除するために敵と戦うのだ。
DEADCELLS(デッドセルズ)のレビュー・感想まとめ
- 2Dアクション+ローグライク
- 操作は簡単で、すぐ覚えられる
- アンロックシステムで、段々難易度が下がって攻略可能になる
このゲームにとって残念なのは、美少女が出てこないことだ。
デュラハン主人公でグロテスクなゾンビと戦うのが好きな人にとっては、そんなこと気にもかけないだろうがね。