今日は"スローライフRPG"こと「Yonder 青と大地と雲の物語」(原題はYonder:The Cloud Catcher Chronicles)のレビューをしよう。
このゲームを一言で表すなら、ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドにアトリエシリーズかルーンファクトリーあるいは牧場物語を混ぜたようなオープンワールドRPGである。
このゲームを作っているのはオーストラリアのPrideful Sloth。
そしてこれを、ディスガイアシリーズなどでお馴染みの日本一ソフトウェアがローカライズしている。
筆者がこのゲームを数時間程プレイした。そこで分かった魅力を紹介しよう。
ゼルダBtW好きにはオススメできる
まず冒頭からゼルダBtWへのオマージュが見られる。
主人公が薄暗い洞窟から抜け出すと、そこには広大な世界が広がっている。
さらにその前の船に乗るシーンは風のタクトを彷彿とさせる、これは私の考えすぎか。
だが高いところから飛び降りると、パラセールではなくパラソルを開くのは確実に影響された。
このRPGは戦闘がないゼルダBtWだと思えば分かりやすい。
ただしマップは狭くなり、崖を登ることもできない。もちろん魔王を倒すなんて壮大な目的はない。
カメラの感度も調整しづらいし、オブジェクトの動きも積み木みたいでちょっと安っぽい。
ではゼルダの劣化では?と言う人にもオススメできる4つの魅力
ここまで読んだ人は、もしかするとゼルダBtWなどの劣化で何の価値もないゲームだと思ったかもしれない。
そんなことはない。このゲームには欲しくなる魅力がある。
まず1つ目は価格だ。
Yonderはわずか2000円+税。これでフルプライスのゲームにもさほど見劣らないグラフィック、ボリュームを持っている。
コストパフォーマンスは非常に高い。
2つ目は戦闘が無いことだ。
「俺は血に飢えている!早く戦わせろ!」そんな人間はYonderには向かない。モンハンワールドでもPUBGでもやればいい。
このゲームは道を歩いていると突然変なモンスターに襲われることはない。
友好的で大人しいモンスターしかいないのだ。
「私はもう戦いや競争に疲れてしまった。心安らぐゲームがしたい」そんな人が遊ぶべきゲームと言える。
3つ目は、牧場の運営ができることだ。畜産や木の実の栽培などができる。牧場経営系のゲームが好きな人は良いだろう。
私はこの点はあんまり好きではないがね。理由は後述。
4つ目は、取引やクラフトを楽しめること。
ゼルダならば何が合成されるかわからない料理だけだったが、素材を集めるとより上位の品が作れるというオーソドックスなシステムがある。マニュアルに沿って簡単にモノづくりを楽しめる。
また物価も場所によって変動し、取引を楽しむことができる。
ゲームの中心、妖精探し
このゲームは、マップの所々が謎の霧に覆われていてプレイヤーの行く手を阻んでいる。
その霧を払えるのはマップに隠れている妖精だけだ。霧によって必要な妖精数が異なる。
この妖精を見つけないと、メインクエストもサイドクエストも進められないジレンマがある。
このシステムは妖精探しという明確な目的を与えられ、プレイヤーにとって明確なモチベーションとなる。
その一方で、妖精の隠れ場所はほぼノーヒントなので、妖精が見つからず右往左往するハメになる。私のように。
幸いにもマップ上には様々なオブジェクトがあり、近づくと「?」や「!」マークになって教えてくれるので、途方にくれるということはないが。
妖精を探すのも、それ以外のものを探すのも非常にワクワクする。
この妖精で霧除去システムは良いものなのか悪いものなのか、一言では言い切れない。
だが慌てる必要はない。これは“スローライフRPG”、のんびりやっていけばいいのだ。
牧場の世話は"最悪"
畜産業を営んでいる人にとっては日常的なことなのだろうが、飼育しているモンスターがあちらこちらに"フン"をするのには参った。
あっちを見てもこっちを見ても巻きグソだらけで、非常に不快な思いをした。
筆者は老人ホームで勤務した経験もあるが――これ以上書くと人権団体から苦情が来そうだからやめておこう。あの頃は素晴らしく徳のあるお年寄りばかりだった。
牧場には、清潔な日本人が好むような清廉さはない。とってもとっても増え続けるクソだらけだ。
牧場の管理をしてくれる人を早急に雇わなければいけないだろう。
お気に入りにキャラクターにチマチマと食べ物を送って、ご機嫌を取る必要がある。
まとめ
そんなわけで色々書いてきたが、もっと簡単な言葉で締めくくろう。
このゲームは刺激やスリルを求める人には向かないが、ただ美しい世界を走り回りたい人にとってはコスパが最高の楽しいゲームになる。
かく言う私もこのゲームはまだまだ遊びつくしていない。今後また記事を書くこともあるかもしれない。
おまけ
自家製の動画。まったく編集していないので適当に飛ばしながら見るのをおススメする。