フォールアウト76、核戦争による残酷な未来を描いた超退廃的なゲーム
世界中では名作ゲームとして知れ渡っているのだが、日本ではメチャクチャ不謹慎なので有名になれないシリーズがある。
それがベセスダのフォールアウトシリーズだ。今回はその最新作、フォールアウト76についての記事だ。
ちなみに筆者はシリーズ初プレイ。
広島や長崎、福島の人を大いに怒らせ、傷つけてしまう可能性があるゲームは、長らく日本では存在が隠匿されてきた。PRなど以ての外だった。原爆Tシャツを着たアイドルグループよりよっぽど不謹慎である。
海外暮らしが長かった友人は過去作をよく遊んでいたそうだが、日本に住み続ける私にとっては、本作が初プレイとなった。
フォールアウト76の世界観
フォールアウトを楽しむには、その世界観を理解する必要がある。
何故なら、核兵器と放射能にまみれた世界観こそが、フォールアウトの独自性であり魅力だからだ。
フォールアウト76の舞台は100年後の未来のアメリカ。ただし、そこは「ドラえもん」のような輝かしい未来ではない。
この世界は冷戦が長引き、ソ連は崩壊せず、アメリカでも共産主義が蔓延り、科学技術が大して発展しなかった。
しかも核戦争で人間がほとんど死滅し、今生きているのは放射能で変異した元人間か、奇形の野生動物ばかり。
日本のテレビ番組では絶対にプッシュできないこの世界観を理解できないと、フォールアウトは楽しめない。
フォールアウト76のジャンル。こりゃRPGじゃないわ
さて、私はオンラインゲームのフォールアウト76でシリーズ初プレイとなったわけであるが、これを入門用とするのはいささか早まったかもしれない。
それは、フォールアウトシリーズはRPGだと思っていたからだ。
実はフォールアウト76はNPCが登場せず、人が住む街や集落もない。
本作は廃墟めぐり&バケモノ狩りツアーwith放射能みたいなゲームだ。
ジャンルとしては、探索型FPS・TPSといった所か。
怪物をぶっ倒し、強い武器や珍しいアイテムや食料を集めるのがゲームの目的。家を建てる楽しみもある。
が、RPGとしての楽しさ、つまりストーリーやキャラクターなどを求めてしまうと、「ナニコレ全然面白くないじゃん」となる。
私も始めた頃はそうだった。楽しむには、気持ちをシューター脳に切り替えることが重要だ。
RPGとしてのフォールアウトは、ナンバリングタイトルを遊べということなのだろう。
生きたNPCがいない世界。暗くて退廃的。
先程伝えたように、フォールアウト76には生きたNPCが存在せず、会えたと思ったらゾンビしかいない。
「ゾンビランドサガ」のようなかわいい女の子ゾンビならいいが、生憎本作ではこれぞアメリカンなグロテスクゾンビ達が"Hello"と挨拶してくる。
というのはもちろん嘘で、本当はプレイヤーを見つけた瞬間、全速力で殴りかかってくる。
もうちょっと頭がいい奴になると、銃を使って攻撃してくる。しかも高所や物陰に隠れながら撃つという知恵を発揮する。
知能が高く、元はちゃんとした人間だったことを想起させる。
とはいえ、プリキュアのように彼らを人間に戻す手段はない。残念だ。
救済するには死なすしかない。そう思って悲しい戦いをせざるを得ない。
「ゾンビを倒してくれてありがとう。おかげで助かったよ」なんて言ってくれる人もいない。哀しい戦いだ。
生きた人間は、どうやら死滅しているらしい。
フォールアウト76はどこまで行っても敵性ゾンビだらけで、怖がりな私にとっては恐怖に満ちた世界だ。
音声テープにより、生きた人がいた痕跡はわかる。どこからか政府が支援物資を送ってくれる。
でも広大なアパラチアを歩いていても、彼らと出会えることはない。もしかしたら、私がまだ出会えていない人もいるのかもしれないが……。
まあそんな希望を抱いていても出会えないものは出会えない。
放射能で突然変異した、奇怪な生き物たち
放射能で人間が突然変異してゾンビになったり石になったりしたようだが、なぜか昆虫はひたすらデカくなってる。
とくにダニはきつい。漢字で書くと壁蝨。あのデカいダニは本当にキモイ。ダニ好きな人には悪いけど、見た瞬間に凍り付いた。ぞわぞわするなんて生易しいものじゃなかった。
蜂がデカくなったやつも精神衛生上良くなかった。
双頭の牛もかなりビックリしたが、デカい虫は妙にリアルさがあり、SAN値がガリガリ削られていく音が聞こえた。
あまりにも不快なので、この記事にも画像は載せない。
ちなみにロボットの敵は、まだ可愛げがある。
サバイバル要素を期待すると、自由度は低く感じる。
本作はサバイバル要素もある。
水や食事を補給して、ちゃんとした寝床で休まなければ、待っているのは病気や死だ。
しかしながら、サバイバルとしての自由度はちょっと低い。
ゼルダBtWやArkの後では、「斧で木を切ることすらできないのか」と思えてしまう。
あくまで、このゲームのメインはシューター。
サバイバル要素は、そこまで期待しない方がいいかも。
私は探索を盛り上げるための要素だと解釈している。
ただ、食べ物や水を摂取する際に放射能濃度を気にしなくてはいけないのは、このゲームならではの要素で面白い。
ぼっちには辛い
モンハンなどもそうなのだが、結局この手のオンラインゲームは「一緒に遊ぶ友達がいるかどうか」は大きい。
このゲームは2人以上でボイスチャットしながらを前提に作られている。
これを1人で遊ぶには、まあタフな精神力を要する。
もし貴方がボッチで、精神力に自信がないなら、あまりオススメはできない。
私は鋼のメンタルで乗り切ってるけどね。
ウソです。本当は配信することで寂しさを紛らわしている。
退廃的な寂しい世界に馴染めるか?
フォールアウト76はとても退廃的で寂しく、クレイジーな世界。
人の暖かみ、温もりなんてものは皆無だ。そういうのを求めるなら、やめた方がいい。
こんな荒んだ世界だから、他のプレイヤーだって優しくはない。
私は目の前でデスドロップしたアイテムを奪われたこともあるし、見ず知らずの人にいきなりショットガンで撃たれたこともある。
そういう世の中なのだ。
まとめ。フォールアウト76に向いてるのはこんな人
- 日本では「禁忌」扱いの放射能や核兵器を扱った世界観に触れたい物好きな人。
- なおかつ「RPGなんてめんどくせえ!俺は戦いが好きなんじゃ!」という好戦的な人。
- シューター好きの友人に恵まれている人。
筆者はべセスダのスカイリムは好きだったが、TESオンラインについては、まあ面白くないゲームだと思った。
フォールアウト76は思い切ってシューターにした分、それよりはかなりマシだ。
だけどちゃんと比較するためには、フォールアウト4もやった方がいいんだろうね。