ニンテンドースイッチオンライン、遂に有料化
任天堂はニンテンドースイッチ発売前からスイッチオンラインプレイ有料化についての話をしてきた。
この事実はDS、3DS、Wii、WiiU時代からずっと任天堂のオンラインは無料だと信じてきた子供や貧乏人たちに少なからず衝撃を与えた。
だがスイッチ発売から3か月近くが経っても、具体的なサービスの開始時期や肝心の料金が中々発表されなかった。
もしかしたらスイッチ発売に安堵した任天堂の社員たちがこぞって数か月の長期休暇を取ってしまい、沖縄やハワイやグアムで過ごしてるうちにオンラインプレイサービスのことなど忘れてしまったのかもしれない。
ホワイト企業であろう任天堂ならあり得ることだ。
そして、バカンス帰りの日焼けした社員たちはスイッチのオンラインプレイ有料化について思い出したのが2017年6月2日。
さらにそれから1年後の2018年9月19日、2度目のバカンスから帰ってきた任天堂社員たちは「そろそろか」と有料化に踏み切ったのだった。
※2018年9月13日に記事の内容を大幅更新、11月13日誤字修正
公式サイトによれば、いずれも税込みで月額300円、3か月で800円、12か月(1年)で2400円だそうだ。
果たしてこの価格はどうなのだろうか。
最大の競合他社であるソニーのプレイステーション4のオンラインサービス、「PlayStation Plus」と比較しながら検証しよう。
ニンテンドースイッチオンライン 対 PlayStation Plus
以下、(NSO 対 PS+)
1.料金
NSO 月額300円 年2400円
PS+ 月額514円 年5143円
いずれも税込みで表記。年間の料金では倍以上の差になってしまった。少なくともリーズナブルさでは任天堂の圧勝だ。
貧乏人や小中学生には多少ありがたい話だろう。
ただ"安かろう悪かろう"である可能性もあるから、これだけでは何とも言えない。
2.フリープレイソフト
NSO ファミコンの名作ゲームがオンラインプレイ可能で遊べる。
PS+ 割とメジャータイトルが遊べる。ただし1か月ごとに配信するソフトが変わる。
PS+では月替わりでそこそこ売れたメジャータイトルやインディーズのゲームなどが加入特典として遊べる。
1度DLしてしまえば加入期間中ならいくらでも遊べるのも強みだ。
大体は2年位前に発売したゲームで、稀に「ライフイズストレンジ」のような神ゲーが配信されることもあるが、どうしようもないクソゲーが配信されることもある。
さて、後発のNSOはと言うと――「SMB3」、「バルーンファイト」「ドクターマリオ」。ゲーム界の古典をズラリと並べてきた。
確かにどれも素晴らしい作品だが、往年の名作が遊べるのは前々世代のハードからできたことであり、これだけでは新鮮味がない。
そこで任天堂は古典を書き換えて、オンライン協力プレイが可能な「新約版」にしたようだ。
これなら多少興味はそそられるが、現時点では今後どのようなタイトルが追加されるのかが分からず、現時点でぼんやりした輪郭しか見えない。
だがPS+フリーソフトの弱点、「その月じゃないとDLできない」という制限もNSOには存在しないようだ。
NSOは将来的に膨大な数のフリーソフトがいつでも好きな時にDLできるようになるかもしれない。
現時点の情報では判断しかねるところだ。
3.利用者限定割引
PS+ 15本くらいのタイトルが10~30%引き
NSO 今後追加予定か?
これはわからない。なにせ"ユーザーに厳しい教育方針"の任天堂であるから、どういうタイトルが安くなるのかなどまだまだ教えてくれそうにない。
よって引き分けとするほかない。
4.セーブデータ預かり機能
PS+ オンラインストレージにバックアップ可能。領域は1GB
NSO オンラインストレージにバックアップ可能。ただし一部ソフトは除く。領域は不明
これまでスイッチではチート対策のため、SDやmicroSDを使ってバックアップを取ることも認められておらず、オンラインストレージもなかった。
バックアップが一切できない状態だったのだ。
今後はニンテンドースイッチでもバックアップが取れて安心だな!と行きたいところだがそうでもない。
セーブデータ預かりに対応していない一部のソフトちうのが厄介だ。それには「ポケモン」だったり「スプラトゥーン2」含まれる。チート対策とは言え、個人的にはがっかりした。
結局はニンテンドースイッチの信頼性の高さを信じるしかないのだ。
またオンラインストレージの領域だが、PS4よりも安い分、利用可能な領域も1GBよりは少ないのではないか、と予想している。
とはいえ、PS4もPS4で1GBじゃ結構足りなくなったりする。
その場合データをUSBメモリに保存したりできるのはPS4の強みだが、まあそれはネットワークサービスとは直接関係ない。
5.ボイスチャット
PS+ 本体でVC可能。
NSO スマートフォンアプリ
これはおまけ要素に過ぎないので、勝ち負けはつけていない。
PS4なら「オーバーウォッチ」だとか、NSなら「スプラトゥーン2」などのTPSやFPSでは特にボイスチャットを使いたくなるだろう。
シンプルさを追求したハードであるNSはVC機能ももちろん搭載してない。そこで任天堂はスマートフォンに助けを求めたようだ。
だが正直な所スプラトゥーンでは今までもスカイプでVCができた(私はVCが億劫で一度もやったことは無かったが)。いくら公式のアプリだと言っても、いちいち別のデバイスが必要な時点で不便だと言わざるを得ない。
総合
料金においてはニンテンドースイッチオンラインは大きくPS+をリードしている。なんせ半額以下だ。
そして任天堂が1年間でソニーの半分程度のサービスしかしてくれないのか、というとそうでもないように感じる。
多分60%分くらいは仕事しているだろう。
そしてPS+も、加入者特典の豊富さは今のところNSOよりも優れている。オンラインプレイに対応しているソフトも圧倒的に多いからね。
おっと、たいていのソフトはPC版でも遊べることは言いっこなしだぜ!
いずれにせよ、NSOのサービスが始まってみないとまだまだ分からない点は多いが。
動画配信サービスとの料金比較
さて税込みで月額300円というのはかなりの格安である。
以前は無料だったことを考えなければ、ということが前提だが。
日本人はとにかく「無料」が大好きだから300円でも高いと感じてしまうのはしょうがない。
今度は300円というのがどのくらいの料金なのか、参考までに昨今流行りの動画配信サービスと比べてみたい。
以下の料金はすべて消費税を8%とした場合の税込みである。
Amazonプライム・ビデオ
月額325円(年会費3900円)
dTV
月額540円
ビデオマーケット
月額540円
Netflix
月額702円(ベーシックプラン)
値上げ後は月額864円に
Hulu
月額1007円
TUTAYA TV
月額1008円
U-NEXT
月額2149円
ニコニコ動画プレミアム会員
月額540円
こうしてみるとNSOの税込み月額300円、年で2400円はすべての定額動画配信サービスを下回っている。
もちろん安ければいい、というわけでもないが、一つの選ぶポイントにはなる。
小学生たちの経済的なお母さんも「これくらいならいいか」と思ってしまうかもしれない。
逆に小学生たちは「お母さんが見ている動画サービスより安い」と主張していこう。
やはりNSOのこの料金設定はかなりお得なのだと言える。