ポケモンウルトラサンムーンの発売前、ポケモンウンウーンというあだ名が流行ったことがあった。
私はこれはいくらなんでもひどいあだ名だなと思った。
だが今は私もウンウーンと少し頭を抱えてる。
正直、このゲームには期待しすぎたか?という気持ちでいっぱいである。
メインストーリーが改悪
リーリエ、ルザミーネのキャラが薄くなり主題が見えないストーリーに
サンムーンではリーリエ・ルザミーネ親子の対立構造が物語の根幹に描かれていた。
身勝手な親と、それに抗う子。
SMはリーリエが身勝手な母と決別、自立していく、リーリエの成長物語だった。
子が親を乗り越えるというストーリーはよくあるものであるが、それ故に、成長物語として分かりやすいものだった。
ただこれには批判も少なくなかった。
最もよく見られた批判は、「リーリエが物語の中心になり過ぎて、主人公(プレイヤー)が主人公じゃない」「リーリエが好きになれない人は物語を楽しめない」というものだ。
ゲーフリはこのような批判を"真摯に受け止め過ぎた"。
リーリエやルザミーネが中心となっていた一部のイベントをカットし、プレイヤーが主人公であるという本来の姿に戻そうとしたのだ。
その結果何が得られたかというと、USUMのストーリーが非常に中途半端なものになった。リーリエもルザミーネも「何をしたいのかよくわからない人」になってしまった。
USUMでがんばリーリエになった後、何をした?
「子は親の所有物ではありません!」とキッパリ言い放つ彼女の名シーンはどこへ?
ほしぐもちゃんが進化して主人公に託されることも無くなったが?
同様にウルトラ調査隊とかいう、これまた何をしたいのかよく分からない人達が追加され、よく分からないままネクロズマと対峙することに。
リーリエがアローラを去ることは無くなったが、なんともどこで盛り上がったらいいのやら、という宙ぶらりんな状態でEDを迎えてしまった。
USUMで7世代初プレイだった人は、「この親子は何がしたかったの?」という気持ちでEDを見ていたことだろう。
ただ全部が改悪されたわけではない
例えばハウは、SMでは「ヘラヘラしたヤツがなんとなく最後までついてくる」程度の扱いだったが、「確固たる意志を持って主人公に挑戦する少年」として株を上げた。
ハウは初代のライバルポジションにまで登りつめたのだ。お陰で、半裸の博士が何故かラスボスという珍事は無くなった。
それは良いことだが、今度はハウが活躍しすぎだ!なんて批判が飛び出すかも。
誰がそんな批判をするかって?私だ。
ーー冗談だ。
他には、各キャプテンの出番がちょっとずつ増えたのも、悪くない点とは言える。
特にマツリカなんて、試練が無かったのを丸ごと追加されたのだから。もう「誰?」とは言わせない。
ゴルフおばさん?誰だそれは?
追加シナリオは良かった
主人公とリーリエがレインボーロケット団と戦う、新シナリオは悪くなかった。
リーリエとの共闘は前作からのファンなら、彼女の成長が感じられる名場面だった。
わずか1戦しか共闘がないのは物足りないが、あのリーリエがトレーナーデビューしたのは重要なことだ。
ただこのシナリオはゲーム全体の10%にも満たない短いものなので、これだけでこのゲーム全体のシナリオが良かった、と言うわけにはいかない。
ついでにリーリエのあのプンスカ顔は、全く趣旨の違うセリフに変更された。
うーむ、なにか違う。
リークされた以上のサプライズはなかった
「ここはキミの知っているアローラではない」
なんて煽り文句は流石に誇大広告だった。
今ならこう言い返してやりたい。
「ほとんど私の知っているアローラだ」とね。
まあ元々マイチェン版なので、そこまで大きな期待を抱いていたのがおかしかったかもしれない。
冷静に考えたら、過去にマイチェン版で大規模なポケモンやマップの追加など一度も無かったのだから。
だが、任天堂の誇大広告にとリークし過ぎにより、そう思わざるを得ない状況になってしまったのだ。
今回事前のリークでわからなかった大きな情報と言えば、アーゴヨンとウルトラネクロズマくらいだろう。
ただ私も反省したい。
繰り返すが、今回のポケモンUSUMは所詮はマイナーチェンジに過ぎなかった。
ポケモン青やピカチュウ、クリスタルをプレイする時に大きな期待をしただろうか?まあこんなものかと思ってやっていたのではないか。
そんな態度で臨めば良かったのだ。
それなのに、完全新作が出るかのような期待を抱いてしまっていた。
リージョンフォームでジョウトのポケモンがたくさん出るんじゃないか、なんて勝手に盛り上がってしまった。
単なるマイチェン以上の期待感を持ってしまったせいで、勝手に失望してしまった。
リージョンフォーム追加だとか、マップ追加だとか、そういう「とっておき」は3DSという終わりに近づいているハードで出すわけがなかったのだ。
そのようなものを出すとしたら、次世代機。即ちニンテンドースイッチになる。
スイッチでの新作では、USUMで出し惜しみした要素も思いっきり解放してもらおうじゃないか。
新ハード、しかも据え置き扱いのハードでは初となる完全新作は、今度こそ大いなる期待を抱いても良いものだと信じている。