やすおかのポケモンなどブログ

ポケモンの記事を書くと見せかけていろんなゲームの記事を書いてます。ポケモンは対戦派ですが、一番重要なのは楽しむこと。まだ見ぬ未開の地を求めて

UAEのポケモンUSUM大会事情レポート。セレブの国での環境・使用ポケモンは?【ポケモンVGC2018 UAE】

UAEで行われたポケモントーナメント

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皆さんはUAE、アラブ首長国連邦と言えばなにが思い浮かぶだろうか。ドバイやアブダビといった都市だろうか。

私はセレブの国というイメージだ。人口の多くが公務員で年収は1000万円超えが当たり前。それなのに税金が安く、フェラーリやポルシェやランボルギーニが当然のように街に溢れ、トヨタやスズキなどの安っぽい日本車には乗らない。唯一、日産GT-RとホンダNSXだけは乗車を認められているとか。

 

そんなセレブの国だが、ポケモンのイメージを持っている人は少ないだろう。

 

イスラム教では偶像崇拝が禁止されているので、ポケモンみたいな完全に偶像のゲームなんてできないのでは?と思っているだろう。そもそもポケモンもアラビア語に非対応であるし。

 

だが最近は、隣国のサウジアラビアで女性がサッカーを観戦できるようになったり、車の運転が認められたり、革新的なことが起こっている。

ならばお隣の国でポケモンだってやっていたっておかしくないはずだ。

もちろん、経済的に余裕があって戦争のない国であるからこそできることだ。

 

で、本題だが、イスラム圏のセレブな人間がどんなポケモンでどう戦うのか知りたくないだろうか?

幸いにも、彼らはYou Tubeに動画をアップロードしてくれており、その戦いを見ることができる。

テクノロジー万歳だ。

 

 

大会概要

2018年1月12日に開催された。ルールはWCS2018ルール。持ち時間が短い全国ダブルバトル。

参加者は、ツイッターを見る限り17人。さらに予選があった可能性もあるが、奇数ということは誰か急な欠席者が出たのかもしれない。

 

使用されたPT

 

 

 2位の人が何故か何故かオタチを使っている。

また化身ランドロスが流行っているのかと思ったが、どうやらこれは霊獣ランドロスの誤りだとのこと。

 

準決勝

Khalid(カリド)氏 vs Celdric(セルドリック)氏

 

www.youtube.com

 

1戦目

Khalid 先発オタチ、ジャラランガ 裏不明

Celdric 先発ズルズキン、ゴチルゼル 裏ドータクン、バンギラス

 

初手:カリド氏は大胆にもオタチを先発起用。輝石を持たせてもオオタチの方が物理特殊共に耐久は上だし、オタチの専用特性もない。完全に趣味なのか?やりたいことは特性おみとおし+「このゆびとまれ」+「いかりのまえば」あたりだろうが。余程トリルが重いので、トリル対策をさせたいのだろうか。

1ターン目:セルドリック氏はジャラランガに「ねこだまし」と「サイコショック」を集中させるが、これをしっかり「まもる」で対応。オタチの「いかりのまえば」でズルズキンを半分削る。

2ターン目:オタチの「てだすけ」からジャラランガがZワザ「ブレイジングソウルビート」を発動し、ズルズキンを撃破。一方、セルドリック氏はゴチルゼルで「トリックルーム」を展開し、ドータクンを出して対抗。

3ターン目:ここからよく分からない展開。カリド氏のオタチが「このゆびとまれ」でセルドリック氏のドータクンの「Zさいみんじゅつ」を受けて眠った。催眠でジャラランガをごまかそうとしたのが通らなかったのは分かるが、何故Zワザに?「Zさいみんじゅつ」が必中だと誤解しているのだろうか。

またここでゴチルゼルは「ねむる」を選択。しかも持ち物がたべのこしだから素眠りだ。トリルを貼ったのにずいぶん悠長に見える。ジャラランガの「かえんほうしゃ」はドータクンにはあまり入らず。おそらく特性たいねつか。

4ターン目:オタチとゴチルゼルがねむり、ドータクンの「ジャイロボール」をジャラランガが守っただけ。

5ターン目:オタチが起きて、この指でジャイロを受け、かすり傷。ジャラランガの「かえんほうしゃ」がドータクンの急所にあたるがまだ赤ゲージ耐え。

6ターン目:ドータクンが再び「さいみんじゅつ」をオタチにヒットさせるも、ジャラランガの「スケイルノイズ」で落ちる。

7ターン目:セルドリック氏のラス1はバンギラス。それもメガバンギラスだった。だがトリルも切れてもはや打つ手なしか。ジャラランガの「きあいだま」が当たり、メガバンギラスは何もできず出落ち。

8ターン目:ゴチルゼルだけ残ったが、もはや何もすることは無い。カリド氏のストレート勝ちで終了。

 

2戦目

 

Khalid 先発オタチ、ジャラランガ 裏リザードン、不明

Celdric 先発ズルズキン、ユキノオー 裏ツンデツンデ、ゴチルゼル

 

セルドリック氏は先発を変えてきたが、イマイチジャラランガをどう処理するかが見えず。

先発のメガユキノオーも「かえんほうしゃ」で焼かれるだけに終わり……。

カリド氏はまた「てだすけ」からの「ブレイジングソウルビート」が決まり、一方的な展開に。「きあいだま」も外さなかった。

 

カリド氏のオタチは2戦ともよく効いていた。ただ、セルドリック氏のPTはあまりにジャラランガを軽く見過ぎていた。

 

 

決勝

Khalid(カリド)氏 VS Yusuf(ユスフ)氏

www.youtube.com

 1戦目

Khalid 先発カミツルギ、霊獣ランドロス 裏リザードン

Yusuf 先発カプ・テテフ、マンムー 裏ルチャブル、ヒードラン

 

初手:カミツルギでテテフとマンムーを両縛りできているので少しカリド氏が有利か。

1ターン目:ユスフ氏は2体同時交代という思い切ったプレイング。

まずマンムーに代えてルチャブルを出した。サイコシード持ちで、特防が上がり、おそらくかるわざでS2倍に。さらにテテフに代わってヒードランが出た。

カミツルギの「スマートホーン」がヒードランに、ランドロスの「はたきおとす」がルチャブルにヒットするが全く削れず。またSがカミツルギ>ランドロスがバレてしまった。ここはユスフ氏が上手かった。

 

2ターン目:ヒードランはランドロスの「じしん」警戒で守り、ルチャブルとカミツルギがそれぞれ「おいかぜ」を発動。ランドロスは「ストーンエッジ」をルチャブルに当てて削る。

 

3ターン目:カミツルギはヒードラン警戒で守り、ルチャブルはランドロスに「アンコール」で「じしん」を撃たせない。

ランドロスの「ストーンエッジ」がルチャブルにまた当たるが、これをミリ耐え。さらにヒードランが「みがわり」を成功させ、明確にユスフ氏がアドを取ったと言える。

 

4ターン目:カリド氏がカミツルギをリザードンにチェンジ。

ルチャブルがランドロスに「とびひざげり」で削り、ランドロスはまたもエッジをヒードランに当ててみがわり破壊に成功した。ヒードランの「ねっぷう」はリザードンには外れ、ランドロスはまだ耐える。

 

5ターン目:カリド氏のリザードンがここでメガシンカ。相手のヒードランを落とす算段がないターンでのメガシンカは難しい決断だった。

ルチャブルは「フリーフォール」でリザードンを連れ去り、ランドロスはついにヒードランへのエッジを外してしまった。そしてヒードランは再び「みがわり」に成功した。

 

6ターン目:ユスフ氏のヒードランがまもり、ルチャブルの「フリーフォール」は飛行タイプにはダメージを与えられないので無傷で上空から生還したリザードンが「ソーラービーム」でルチャブルを落とす。

みがわりを残した状態でのヒードランの「まもる」は消極的に見えるが、果たして。

 

7ターン目:ルチャブルが落とされて出てきたのはマンムー。

そしてこのターン一番早く動けたのも、マンムーだった。スカーフだ。いわなだれでメガリザードンYが1撃で落ち、ランドロスは紙一重のこったがひるんでしまって絶体絶命。

カリド氏も思わず天を見上げた。これでヒードランの身代わりは残ったままだ。

 

8ターン目:カリド氏は無傷のカプ・コケコとカミツルギが登場。これを見てスカーフマンムーをテテフと交代させるユセフ氏。

カプ・コケコの選択は「かみなり」をヒードラン方向に撃つことだった。命中不安な技ばっかり採用してるなこの人。

カミツルギの「リーフブレード」でテテフを大幅に削るが、テテフは半分回復の実で回復。ヒードランの「ねっぷう」はカプ・コケコに当たらなかったが、カミツルギに直撃。カミツルギはタスキで耐えた。

 

9ターン目:またコケコの「かみなり」を当てて、ヒードランを撃破。だがここで何故かカミツルギが「おいかぜ」を選択!テテフがまもるを選択することに賭けたがあてが外れたか。ユスフ氏テテフの「サイコキネシス」でカミツルギが落ちる。

 

10ターン目:マンムーの「じしん」でテテフが落ちないかと、コケコに守らせたカリド氏だが、テテフも守っていた。

 

11ターン目:マンムーの「じしん」で決着。ユスフ氏の1戦目勝利。

 

 

2戦目

Khalid 先発カミツルギ、リザードン 裏霊獣ランドロス、カプ・コケコ

Yusuf 先発カプ・テテフ、マンムー 裏ヒードラン、ルチャブル

 

 

初手:1戦目を落としたカリド氏が、霊獣ランドロスに代えてリザードンを選択。ただ相手は「いわなだれ」を持ったスカーフマンムーである。まずどう動くのか。

 

1ターン目:ユスフ氏はマンムーを引っ込め、ヒードランに交代。一方カリド氏のリザードンはメガシンカせず「まもる」。カミツルギは「おいかぜ」。テテフの「サイコキネシス」でカミツルギが削られるが赤ゲージ耐え。

ユスフ氏、テテフは狙われないと読んで動かしてくるのは強い。

 

2ターン目:ユスフ氏はテテフをルチャブルと交代し、サイコシード発動。

カリド氏はカミツルギの「スマートホーン」とリザードンYの「オーバーヒート」を集中させ、ルチャブルを落とした。一方ヒードランは「みがわり」を成功。

カリド氏はヒードランを放置する作戦か。

 

3ターン目:落とされたルチャブルに代わり再びテテフが登場。カリド氏は特攻が下がったリザードンをランドロスと交代。カミツルギの「スマートホーン」ではテテフは落とせず、ヒードランの「ねっぷう」が命中してカミツルギが落ちた。

さらにユスフ氏のテテフは「めいそう」を積む余裕。やや欲張りすぎにも見えるが、この辺は昨年のWCSファイナリストのZelda氏の影響だろうか。

 

4ターン目:リザードンが「オーバーヒート」でテテフを狙うが、「まもる」で対応。ランドロスが「じしん」でヒードランの身代わりは破壊したが、返しの「ねっぷう」で落とされる。

 

5ターン目:コケコがテテフに「かみなり」を当てたが、落とせず。そしてここらへんで何故か動画が切れていた。編集者のミスだろうか?

 

 

最後がどうなったのか分からないが、おそらくストレート勝ちでユスフ氏が優勝したと思われる。

 

 

大会のレベルは、日本で行われたものに比べると高くはないという感想を抱いた。

しかしながら、中東の地でポケモンという文化が少しずつ根差してきていることは、間違いないようだ。

 

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