ポケモン竜王戦とは
ポケモンが日本将棋連盟とコラボして送る「第3回ポケモン竜王戦」。
この大会は今回から全年齢が参加できるようになった。上半期、そしてシングルのポケモン日本一を決める大会と位置付けられそうだ。
公式のシングル大会で、大人も参加できる唯一の大会である。果たして栄冠を勝ち取るのは誰なのか?
今回もWCSの時と同じくニコ生観戦なのでご了承を。
大会の概要、ルール
伝説のポケモンが1体のみPTに入れられるシングル戦。
なお今回の大会は、ジュニア・シニア・マスターの混合となる。
招待枠で昨年のWCSを戦った選手たちの他、いろんな著名人もゲスト枠として参戦する。
主な出場選手
バルドル氏(R.O選手)
昨年の世界王者が参戦。シングルでの実力は未知数だが、きっと強いのではないか。
はじめしゃちょー氏
人気YouTuber。ポケモンは門外漢らしいが、今回参戦。私は彼のことを詳しくは知らないのだが、意外と真面目そうな印象。
森本茂樹氏
ご存じポケモン対戦のプログラミングの責任者。開発者が子供を大人げなく蹂躙する様子を見てみたい。
ヒャダイン氏
作曲家。日頃ポケんちで、子供をイジメたりして実力を証明している。大会で結果を残せるか。
山口恵梨子女流二段
棋界を代表して参戦。将棋だけではなくポケモンも強いのだろうか。
糸谷八段
プロ棋士で、元竜王。今回はカードゲーム部門に参戦。
グループリーグ1回戦
ヒャダイン氏 VS かずま氏
ヒャダイン氏が小学生の男の子かずま君と対戦。
参照URL:
ヒャダイン:先発 霊獣ランドロス 裏 ミミッキュ、日食ネクロズマ
かずま:先発 ミミッキュ 裏 カミツルギ、不明
初手で少し有利対面になったヒャダイン氏が、ランドロスの「とんぼがえり」からミミッキュでミミッキュを削り、若干有利かと思われたが、ミミッキュに後出しされたカミツルギが全く止められず。
おそらく鉢巻カミツルギだったか、「リーフブレード」連打してるだけでヒャダイン氏のポケモンを全抜きした。
なおゲスト枠4人は1回戦で全員負けたようだ。
大会とは直接関係ないが、ゲーフリの岩尾氏がメガガルーラの「おやこあい」について語っていた。
平均化するのもどうかと思い、一度こういう形で出してみようかという流れになったらしい。やっぱり当時のゲーフリは皆お酒を飲みながらゲーム制作していたようだ。
グループリーグ2回戦
山口女流 VS れん氏
参照URL:
山口女流二段: 先発 ギャラドス 裏カプ・レヒレ ミミッキュ
れん氏: 先発 ミミッキュ 裏クチート フェローチェ
先発のギャラドスがミミッキュにいかくをいれ、ちょうはつも入れて調子よくスタートした山口女流。
ギャラドスでばけのかわを剥がしたから十分だということでギャラドスを倒されつつ、カプ・レヒレに繋ぐ展開でミミッキュを倒す。さらにその後のろいたべのこしミミッキュを展開し、有利になったかに思われた。
だがしかし、先制技を切っているためタスキフェローチェを落としきれず、逆にミミッキュが落とされ形勢が逆転。
最後はクチートがカプ・レヒレを落としてれん君が勝った。山口女流二段は決定力があるポケモンが残ってないのがつらかった。
またこの試合はお互いに禁止伝説を出さない展開となった。
グループリーグ3回戦
はじめしゃちょー氏 VS ナンス氏
参照URL:
はじめしゃちょー 先発 カプ・コケコ 裏レックウザ 霊獣ランドロス
ナンス 先発 グラードン 裏テッカグヤ ボーマンダ
初手出し負けしたはじめしゃちょーは、1ターン目で早くもカプ・コケコを捨てガーディアン・デ・アローラでゲンシグラードンを削りに行くことを選択。
が、これでテッカグヤの突破がかなり苦しくなってしまう。
結局テッカグヤを落とせず、ジリ貧になり、最後はナンス氏が勝利した。
はじめしゃちょーはカプ・コケコを捨てる決断があまりにも早すぎたが、その後は粘り強く戦い、そこまで悪いプレイングではなかった。
ただ、カプ・コケコのHPが133(個体値V無振りなら145)で、育成に粗があった。
予選反省会
予選でゲスト枠4人のほか、バルドル氏やSNOW氏といったWCS2017で活躍したプレイヤーも敗退してしまった。
決勝トーナメントの前に、見せ場なく終わった3人のゲスト選手による反省会が行われた。
特に1度も試合が中継されなかった 森本氏は
- ギラティナ
- カプ・コケコ
- フェローチェ
- トルネロス
- ゴチルゼル
- イーブイ
という構築だったらしい。
カプ・コケコの壁貼り+脱出ボタンからイーブイZをギラティナへバトンする展開を狙っていたらしいが、イーブイZ自体がしっかり対策されていたということだ。
しかもなんと3戦全敗で相手のポケモンを1体も倒せなかったそうだ。
開発者は強いんだぞというところを見せてもらいたかったが……。正直、残念な結果である。
準々決勝
※ここから選手名はTN準拠
さにぃー氏 VS セドナ氏
参照URL:
1本目
さにぃー氏 先発レックウザ 裏ブラッキー、ヒードラン
セドナ氏 先発ルナアーラ 裏クチート、カミツルギ
初手ルナアーラでトリルを展開したセドナ氏、一方ブラッキーのあくび対抗してサイクルを回させる。
セドナ氏はルナアーラでブラッキーをやけどにして、相手の「シンクロ」効果でルナアーラもやけどになり、ねむりを防ぐというプレイを見せた。
が、ヒードランが重すぎた。ギャラドスとガブリアスがPTにいるので選出されないだろうと予想したか。
2本目
さにぃー氏 先発レックウザ 裏ブラッキー、ヒードラン
セドナ氏 先発ルナアーラ 裏ラッキー、クチート
セドナ氏がカミツルギをラッキーに変えただけの選出となった。
特殊受けのラッキーでヒードランを何とかしようという意図は見受けられたものの、それでもブラッキー・ヒードランが共に重すぎた。
さにぃー氏のストレート勝ちとなった。
準決勝
UカミツレU氏VS ♠Maid*Saber♠氏
参照URL:
1戦目
UカミツレU氏 先発バシャーモ 裏カプ・テテフ、ルナアーラ
♠Maid*Saber♠氏 先発ガブリアス 裏月食ネクロズマ、不明
攻撃技がないバトンバシャーモと、でんきだまとガブリアスの対面からスタート。
バトンからテテフの無双を狙ったUカミツレU氏に対して、
ステロを撒いてもらったウルトラネクロズマが無双する展開に
2戦目
カミツレ氏 先発ジュペッタ 裏マンムー、カプ・コケコ
Maid Saber氏 先発ツボツボ 裏月食ネクロズマ、ギャラドス
珍しい先発の対面から、お互いにミスし合う展開となった。まずK.S氏がジュペッタのいたずらごころが悪タイプのメガギャラドスに通らないことを見落とす痛恨のミス。
しかし、その後T.Y氏がなぜかスカーフマンムーにウルトラネクロズマを後出しし、確2で落とされてしまう。
奇妙な試合になったが、K.S氏が1対1に持ち込んだ。
3戦目
カミツレ氏 先発ツボツボ 裏月食ネクロズマ、ギャラドス
Maid Saber氏 先発カプ・テテフ 裏ツボツボ、ジュペッタ
今度は先発タスキテテフが決まり、後出しされたウルトラネクロズマを撃破できたのが大きかった。
最後はギャラドスで全抜きを狙ったT.Y氏だったが、メガジュペッタの先攻みちづれ&後攻シャドークロ―ループで完全にロックされ打つ手なし。
K.S氏が逆転で決勝に進んだ。
決勝
UカミツレU氏 VS ナイン氏
参照URL:
1戦目
UカミツレU 先発カプ・テテフ 裏カプ・コケコ
ナイン 先発アーゴヨン 裏イベルタル
お互いに持ち物が分かっている状態での対戦。
先発スカーフアーゴヨン対タスキテテフで、アーゴヨン側が下げずに突っ張った結果、あっさり落とされてしまう。
イベルタルに交代する選択肢もあったと思うが、交代読み居座りが仇になってしまった。
2戦目
カミツレ 先発マンムー 裏カプ・コケコ、ジュペッタ
ナイン 先発イベルタル 裏クチート、アーゴヨン
今回はナイン氏の方が上手さを見せた。1ターン目に交代読み交代でクチートを出し
スカーフアーゴヨンを最後まで温存していたのが効いた。
3戦目
カミツレ 先発ルナアーラ 裏マンムー、カプ・コケコ
ナイン 先発ゲンガー 裏イベルタル、アーゴヨン
この大会にしては珍しい交代合戦の序盤。今度はナイン氏がメガゲンガーを出すというこれまでと異なる展開になった。カミツレ氏はマンムーのつららばりメガゲンガーにが2回しか当たらぬ不運もあり、今回もナイン氏が終盤にイベルタルとスカーフアーゴヨンを残す展開に。
一方、カミツレ氏は残りルナアーラ1体に。これは勝負ありかと思いきや、ルナアーラが撃った素催眠術がイベルタルにヒットし、形勢逆転。
カミツレ氏が優勝した。やや幸運ではあったもののシニアの年齢でマスター達を倒したTN:UカミツレU氏は素晴らしい才能の持ち主だ。
視聴者目線として、今回の大会はどう映ったか?
まず純粋に、待ち時間が長い。
1戦目から決勝まで時間がかかるのはいい。しょうがない。
だがTCG部門との同時進行で、ビデオゲーム部門がやたら時間を食ってしまうのはお互いにとってプラスとは言えない。ニコ生の出演者ですら不満を口に漏らしていたほどだ。
もちろんTCGが悪いだなんて言わない。ただビデオゲームの方が、わざわざ1戦1戦TCGを待つ必要があるのだろうか。
待たされる選手たちも心配だ。次の試合までの間というのは、異様にフラストレーションが溜まるものだ。
準決勝でミスが相次いだのも、試合の感覚が長いせいもあったかもしれない。
ただ試合としては、配信卓のものはゲストも含め面白い試合が多かった。大人と子供がガチ対戦するという大会コンセプトもユニークだった。
今回のレギュレーションはサイクル戦好きな私からしたら物足りなさもあったが、泥沼の膠着した展開が少なく、サクサクと見やすかった。
まあ、今から見るのならばリアルタイムではなくて試合だけ編集されたものをおススメするが。
また表彰式では、先日国民栄誉賞を受賞したばかりの、羽生善治竜王が登場し、会場も放送も賑わった。
今回、羽生竜王はポケモンバトルを少し観戦しただけで、第1回の時のようにエキシビションマッチに参加することもなかった。完全にプロモーションのためだけに呼ばれた。
だが、そのPR効果は絶大だったし、誰もが羽生竜王に尊敬の念を抱いていたと確信できた。
いつの日か、ポケモンバトルの優勝者も、羽生竜王の10分の1、いや100分の1でもいいから社会的に認められ、尊敬される日が来るのだろうか。
合わせて読みたい