耐久アタッカー型のポケモンは、ただHPに252振ればいいのか?
貴方は、ポケモンを育てる時、火力と耐久の半々に努力値を振る場合、「攻撃か特攻に252振って、残りはHPに252振ればいい!」なんて思ってないだろうか?
今回は、ポケモンの努力値(基礎ポイント)振りに役立つ話題を提供しよう。
ちょっと数学(算数)のお話もあるが、授業中に寝てしまうタイプの人にも親切に書いたつもりだ。
いや、本当に寝るタイプの人は3行目で寝てるから、この行に書いてあることすらもう読んでいないか……。
さて、本題だ。
最初に例を挙げた話に戻そう。
耐久振りのアタッカーは、ただHPに振ればいいのか、という話だね。
もちろん、それでOKな場合もあるが、育てているポケモンによっては、無駄な振り方をしている可能性もある。
「耐久指数」というものを理解していないとね。
火力指数はこちら↓
耐久指数って何なのそれ?
耐久指数なんて四字熟語を見ると、いかにも難しそう、と国語が苦手な人は引いてしまうかもしれない。
だが、そんなに難しいことではない。
耐久指数とは、「HP×防御」か「HP×特防」で表される数値だ。
耐久指数が高ければ高いほどそのポケモンは堅い、ということになる。
かけるのが防御なら物理耐久指数、特防なら特殊耐久指数である。
それでは、限られた努力値をHPと防御または特防に振り分ける場合、どうすれば耐久指数が高くなり、堅くなるのだろうか。
次の「なんちゃって数学」問題を解いてみよう。
【数学っぽい問題】
a,bをそれぞれ自然数とする。
a+b=20
となる時、
a×bが最大になるのはa,bがそれぞれいくつの時か。
少し考えてみよう。
答えはa=10,b=10の時。
10×10=100で最大となる。
次点で、11と9。
11×9=99で2番目に大きい。
12×8=96
13×7=91
14×6=84
15×5=75
…
と2つの数の差が大きくなる程、その積は小さくなっていく。
そして最小は19と1。
19×1=19
どうやら、和が常に一定である2つの自然数の積は、その差が小さい程大きくなるらしい。
2つの自然数の大きさが等しい時、その積は最大になる。
(証明はめんどくさいからやらない。私も、数学は得意じゃないし)
上の問題を見てまだピンと来ない人のために説明しよう。
「何故、突然数学の講義が始まったんだ?」と思ったかもしれない。
実際、ポケモンバトルは数学が役に立つ。でも、簡単な話なのでリラックスして読んでほしい。
要するに、ポケモンの努力値と種族値の総和も常に一定である。
だから、「HP×防御」または「HP×特防」が最大になるように、考えて努力値を振らなくてはいけない。
つまり、HPと防御(特防)の和が一定ならば、差が小さければ小さい程、耐久も高くなる。ということを、覚えておけばいい。
理想はHP=防御(特防)である。
ただ、全ての努力値をHPと防御、またはHPと特防に振る場合は、関係ない。何も考えずに特化させればいい。
今回のテーマは、あくまで火力と耐久の半々に振るケースだ。素早さと耐久の半々でもいい。
耐久アタッカー、努力値振りの実践例。ランターンの場合
例えばランターン。
この愛らしい深海魚(何故か浅瀬に住んでる)も、基本はHPに振らないタイプのポケモンだ。
ランターン種族値:
H125-A58-B58-C76-D76-S67
個体値が全てV(最大)の時、レベル50ランターン実数値(努力値、性格補正なし)
H200-A78-B78-C96-D96-S87
ランターンは見ての通り、HPが高い。
そして基本的に火力不足故に、特攻に補正をかけて252振らなければいけない。
では残りは補正なしの256。どう振ればいいだろうか?面倒だから、素早さに4振って、残りは252として考えよう。
1.HPに252振った場合。
実数値はH232-B78-D96。
この場合、物理耐久指数は18,096で、特殊耐久指数は22,272となる。
2.防御と特防に124ずつ振り、HPに4振った場合。
実数値はH201-B94-D112。
物理耐久指数は18,894、特殊耐久指数は22,512となった。
その差はわずかではあるものの、物理、特殊ともにHP252振りよりも堅くなっている。
ダイマックスと耐久指数
剣盾にはダイマックスが登場し、耐久の調整はよりややこしくなった……とお思いの方もいるだろう。
実は、そんなことはない。
ダイマックスすれば、単純に耐久指数も2倍になるからだ。
HP200 防御100 とHP100 防御200
のポケモンがいたとして、どちらも耐久指数は20,000。
これがダイマックスすれば、
HP400 防御100 とHP200 防御200
でどちらも耐久指数は40,000。ただ2倍になるだけだ。
むしろダイマックスと耐久指数の関係で大事なのは、元々の耐久指数が高いポケモン程、ダイマックス時の耐久指数が高くなるという点か。
定数ダメージという面倒な問題
ダイマックスよりも厄介で面倒なのは、定数ダメージだ。
つまり毒や天候とかで、HPの8分の1とか16分の1が削られるなどの、各種ダメージのことを指す。
これらは、防御・特防の高さを無視するため、HPのみで計算をする必要がある。
だからこれらまで考慮に入れると、HP=防御(特防)がベストな調整だとは、一概に言えなくなる。
HPを16の倍数から1を引いた数(16n-1)にしておけば、もうどく、やけど、天候ダメージが最小になる。
これこそが最も美しいのだ、と唱える人もいる。彼らは16n-1調整に、まるでダヴィンチのアートのような芸術性を感じとっている。
確かに美しい調整だとは思うが、これが実際のポケモンバトルで、どれ程の勝率の違いを生み出すのかは、誰もよく分かっていないのが実際のところである。
かくいう私も、半ば妄信的に"HPは奇数にせよ"という教えを信じてはいるが、そのおかげで勝てた試合があったか、と聞かれれば答えに詰まる。
まだみがわりの試行回数を増やせる4n+1調整とかは、わかりやすいけどね。
結論・まとめ
- HPの種族値が高いポケモンを耐久アタッカー型などにする場合、努力値は防御か特防に振った方がより堅くなる。
- 理想はHP=防御、またはHP=特防という調整。
- ただし、定数ダメージを考慮に入れる場合、その限りではない。
はい、長い文章が嫌な人は、ここだけよく読んで覚えよう。