オリジナルPTを作るために覚えておきたい3つの構築分類
以前ポケモンの構築の基礎について書くと述べてから、だいぶ時間が経った。お待たせした。
今回は構築の基礎知識についてお伝えしよう。まずポケモンシングルバトルにおいて、構築は主に3つに分けることができる。
それぞれ対面構築、エース構築(積み構築)、サイクル構築と言われる。まずはこれらを少しでも理解しておくことが、自分だけの強い構築を産み出すことにつながる。誰かの完コピじゃなくてね。
少し長いので、読むのが面倒な人は最後の方の「まとめ」か「もっとざっくりした説明」だけでも読むべし。
※2019/5/17更新。少し修正。
※2019/11/15更新。剣盾向けにタイトルなど少し修正。
1.対面構築
とにかく強力なポケモンや技、アイテムを入れまくって、交代などという守備的な行動はしないぞ!という考え方の頑固者や体育会系向けの構築。
対面構築の基本的な戦略
交代はしない。高速・高火力ポケモンで、ひたすら目の前の相手ポケモンを殴って勝つ。力こそ正義。殴って殴って殴れ!
対面構築の勝ちパターン
- 最初に出したポケモン「A」で目の前の1体を倒す。
- 次に出てきた相手ポケモンに「A」はやられるが、「B」で2体目を倒す。
- さらに最後の1体に「B」もやられるが、こちらのラストの「C」がトドメを刺す。
そんな動きが理想だ。
相手が交代をしてこようが関係ない。ポケモンの圧倒的なスペックで殴り倒す!
と説明されることが多い対面構築だが、実戦で交代無しで勝つことなど稀だ。
実際の対面構築では「クッション」と呼ばれる受け気質のポケモンを1体は選出することで、対面不利になった時の逃げ道を用意している。「みちづれ」を使えるポケモンなどで1:1交換に持っていくという誤魔化しなども採用される。
対面構築の特徴
この構築は交代を極力避けるため、選出と初手がかなり大事になる。初手で圧倒的不利な対面になると、そこからの挽回がむずかしい。
逆に言えば選出の自由度が高くなりやすい構築とも言える。でも慣れないうちは、誰を出せばいいんだ?と逆に困ってしまうことも。
本来の有利不利を逆転させるスカーフやタスキも非常に重要。
また、対戦時間が短くて済む。雪崩のように相手を押し倒せれば勝ち。とりあえず、強いポケモンの特徴を知るために使ってみたい構築である。
対面構築の主なポケモン
素早さが高く、高火力で、そこそこの耐久があるポケモンで固められたPTとなる。
要は単純に種族値が高い強いポケモンを並べる。ただしメジャーポケモンばかり使うため、対策されていることは覚悟せねばならない。
大体1体は変な型のポケモンを入れて、相手の思惑通りな試合運びをさせない戦略をとることが多い。
2.エース構築(積み構築)
俺の好きなカッコイイポケモンで無双してやりたい!という人や、分かりやすい戦いがしたい人が使う構築。
エース構築の基本的な戦略
初手でステルスロックや壁貼り、マヒまきなどができるポケモンなどで場作りしてから、残り2体もしくは1体のエースで「積み技」を積み、全抜きを狙う構築。
積んだエースで全抜きできれば最高だ。しかしそう上手くいかない場合の方が多いので、残り1体はエースが止められやすいポケモンに強いもう1体のエースを選出する。この2体目のエースは積み技がない場合もある。
中には積みエース3体選出して、どれか1体で起点を作り(=圧倒的に有利な相手の前で積むこと)、全抜きを狙う構築もある。
エース構築の勝ちパターン
初手で出したポケモンで「ステルスロック」、「リフレクター」、「ひかりのかべ」、「でんじは」、「ねばねばネット」などで場作りしていく。
有利なポケモンの前で「つるぎのまい」「りゅうのまい」「ちょうのまい」「わるだくみ」「からをやぶる」などを積み、圧倒的な火力と攻撃範囲で駆逐し、全抜きする。とても気持ち良い勝ち方だ。
または「みがわり」を貼れるポケモンや「ちいさくなる」でハメて勝つ陰湿な戦法もある。
エース構築の特徴
選出パターンが決まっていることが多く、選出で悩むことがそこまでない。
勝ち筋が分かりやすく、使いやすい。ただし、その分動きが相手にも読まれやすい。下手をすれば「ちょうはつ」や「ほえる」だけでプランが崩壊することも。
よって基本選出が通用しなそうなPTには、裏選出で対処する。
思わぬポケモンを起点作り要員にしたり、偽装することもしばしばある。
また複雑な動き方をするエース構築のことを「ギミックパ」とも呼ぶ。(天候PTなど)
エース構築に入ることが多いポケモン
- 積み技が使えるポケモン
- 攻撃範囲が優秀なポケモン
- 「みがわり」を使うポケモン
に加えて
- 「ステルスロック」が使えるポケモン
- 壁が貼れるポケモン
- S操作ができるポケモン
など。
3.サイクル構築
サイクル構築の基本戦略
対面構築とは反対に、交代を重視して戦う構築。倒されないことを重視して立ち回る。
構築内での相性補完を重視し、相手のポケモンに後出しできるポケモン(=繰り出し性能が高いポケモン)を中心にPTを組む。
サイクル構築の勝ちパターン
- 自分の選出ポケモンをA、B、C、相手の選出ポケモンをD、E、Fとする。
- 初手で自分のAが相手のDに不利なポケモンだったとする。
- そこで自分はDに非常に有利なBに交代し、Dの攻撃を受ける。
- BはDや予測される後続にも有効な技を選択し、相手はBに強いEを出してくる。
- 自分はEに強いAかCに交代し、相手の技を受ける。
こうやって安定行動をしながら、回復ソースの差や火力の差などでジワジワと優位に立っていくのがサイクル構築の基本である。
こうして仮に相手のDを突破してしまえば、相手は自分側のAを突破するのが非常に困難になる。
サイクル構築の特徴
この構築は初手で圧倒的不利な対面になっても、挽回が可能だ。何故なら、繰り出し性能が高く回復ソースを持ったポケモンを何体か入れるからだ。
だから、対面構築のように初手で失敗して惨敗することはそれほどない。安定感では他の2つの構築に勝る。
試合中はもちろん相手もどこかで交換読み行動をしてくるし、こちらも交換を読んで積み技を積んだりする。エース構築のように決まった動きをするものではないため、プレイングがより重要になる。
ただし、常に交換読み行動を通さなければ勝てないような状況になりがちなら、PTが何らかの欠陥がある可能性が高い。
もっともポケモンらしい戦いができる構築、と言える。プレイングを磨きたい人向けの構築だ。
3体でサイクルを回して行く選出と、2体でサイクルを回しながら残り1体のエースを通す機会を伺う選出がある。
また極限まで繰り出し性能と耐久・回復力の高いポケモンだらけで組んだPT「受けループ」も、この構築の一種である。ここは人によって多少意見の割れるところだが。
お分かりの通り、この構築は対戦時間が長くなりやすい。
サイクル構築に入ることが多いポケモン
- 耐久が高いポケモン
- 耐性が多いポケモン
- 回復ができるポケモン
- 「とんぼがえり」か「ボルトチェンジ」が使えるポケモン
- 特性「いかく」のポケモン
- 特定のポケモンや並びに圧倒的に強いポケモン
余談
カプ・コケコ、ランドロスのような並びを"攻撃的サイクル構築"と呼ぶこともあるが、あれは「とんぼがえり」、「ボルトチェンジ」を絡めた対面構築の変形だとも考えられる。
この記事でいうサイクル構築とは、あくまで繰り出し性能を重視する構築のことを基本指すので、あれはサイクル構築の要素を持った対面構築として扱うことにする。
追記:別記事に追加!
まとめ
長文になった。
ここまで書いておいてなのだが、実は多くのPTは、この3つの構築のズバリこれだ、と簡単に分別できるものではないのだ。
本当のことを言うと、この3つの分類法自体が若干古めかしいものだ。最近は「崩し」とか「受け」なんて用語の方が使われたりする。BL用語じゃないぞ。
先ほども述べたように、攻撃的サイクル構築とかいう対面構築なんだかサイクル構築なんだかよく分からないものもあるし、3体エース選出の構築は「積みサイクル」とか言ってエース構築(積み構築)なんだかサイクル構築なんだかよくわからない。
大体のPTはどちらかと言えば対面構築、サイクル構築かな、と曖昧に分類される程度のものだ。
基本はエース構築だが裏選出はサイクル構築とかいうのもある。
また中には、純粋なサイクル構築もある。「受けループ」なんかがそれだ。
何が言いたいのかというと、この記事は「こういう3つの構築があるので覚えよう」というのとは少し違う。「ポケモンシングルバトルに勝つうえでの、3つの大きな戦略がある」という最低限のことを伝えるためのものだった。
この戦略を学ぶと、ただの真似ではない自分なりのPTが組めるようになるのだ。
また3つの構築にも、タイプのような相性がある。対面構築はエース構築に強く、エース構築はサイクル構築に強く、サイクル構築は対面構築に強い。
小4でもわかる、もっとざっくりした説明
対面構築:「すばやさ」と「こうげき」か「とくこう」が高いポケモンでひたすら攻撃するよ。あんまり交代しないよ。
エース構築:のうりょくを上げる技を使うポケモンで相手を全めつさせるよ。それをサポートするポケモンがいるよ。
サイクル構築:やられないように何回も交代してねばるよ。かいふく技を使うポケモンも多いよ。
あと今回は、あまり具体的なポケモンや構築は載せていなかった。そういうものは、需要があったら別記事に載せていきたい。