私は「モンスターハンター」シリーズが苦手だ。
確かに、シリーズ累計4000万本を突破したモンハンシリーズの面白さは疑う余地がないのだろう。
だが私は過去にWiiの「モンスターハンターtri」、3DSの「モンスターハンター4」を購入し、PCで「モンスターハンターフロンティアオンライン」も遊んでみたが、いずれも2,3回でやめてしまっていた。
モンハン4に至っては、初回だけ3時間プレイしたにもかかわらず、2回目を遊ぶことがなかったのだ。もったいないことをした。
そんな私だが、モンハンに対するイメージを刷新しようと「モンスターハンターXX」のスイッチ版の体験版に手を出してみた。
そこでまず、私がこれまでの 「モンハン」に対する悪いイメージを整理してみた。
私のモンハンの気に入らない部分、悪い点
根幹のゲームシステムがそれほど面白くない
これを言ってしまうと全国1億人のモンハンファンから10発ずつ殴られそうだが、私にとって、これが1番深刻な問題だと言える。
1回のクエストが長いと感じてしまうのも、このせいだろう。
このゲームを一言で表すなら、「モンスターを斬ったり殴ったり撃ったりするゲーム」なのだが、特に序盤ではそれが単純作業のようになってしまい、とにかく退屈だ。そこには駆け引きも何もない。
ボスモンスターがやたら耐久があるのも、退屈を加速させる。私がモンハンをプレイしていて最初に思うことが「このボスまだ倒れないのか」、である。
操作キャラクターの動きが、妙に遅い
私はFPSやTPSなどは好きだ。
それらのゲームと比べるとそうなのだが、モンハンではやたら自分のキャラクターがモタモタ動いているように感じてしまう。
ゲームをしていれば必ず感じるであろう、「キャラを思い通りに動かせている」という感動が少ないのだ。
ボスモンスターが素早くビュンビュン動いている奴ばかりなので、余計に悔しい気持ちになる。なぜコイツはもっと速く動けないのか、と。
これは私の想像だが、海外でモンハンシリーズの人気がそれ程高くないのは、海外の人が日本人よりFPS慣れしているからだろう。
やはり海外でも、なんとなくモンハンのキャラはモタモタしてると思われており、遊んでいてスカッとしない気分になってしまうのではないだろうか。
マップ移動のローディングが頻繁に入り、ストレスを感じる
モンハンのマップというのは細かに区切られており、目的のモンスターにたどり着くまでは細かく移動しなければならない。
その都度、3回か4回のローディングが入るので、気持ちが萎えてしまう。
さらにモンスターにたどり着いた後も、モンスターがあっちこっちに逃げるので、それを追いかけるたびにマップ移動し、また数回ローディングである。
しかもマップの切れ目で戦ってると、意図せずマップ移動してしまうこともある。
このゲームの初代が出た当時、2004年なら仕方ないと思えただろうが、現代ではマップ移動にシームレスなゲームが次々と登場している。この頻繁なローディングは古臭いゲームだと言われても仕方ない。
PS4版でオープンワールドになることが確定しているので、そちらでの刷新には期待したいが。
装備を集めるにもクエストをやるにも時間がかかる
モンスターハンターというシリーズは、装備を集めるのが魅力の一つなのであろうが、とにかくこれが手間だ。
1回のクエストも、時間がかかる。
よく「一狩り行こうぜ!」という謳い文句をしているようだが、簡単なものでも一狩り25分弱かかり、私のような体力に自信がないプレイヤーでは、一狩りで性も根も尽きてしまう程である。
まあそれはいくらか大げさだとして、一狩りも結構長い。気楽にちょっと行こうかな、という感覚では中々やれない。
さて、あまりにも酷評してしまった。
ここまで読んだ人の中には、私が世界2000万本売れているゲームの良さがわからない、審美眼の欠如した人間だと思っている人もいることだろう。
もちろん私だってモンハンの良い点に気づいていない、わけではない。
例えば「XX」の体験版だけでも、以下のような良い点が挙げられる
モンハンXX体験版を踏まえた良い点
多彩な装備
「XX」の体験版では最初から、武器、スタイルから選ぶことができる。
装備や武器を作るのが面倒な私にはうってつけだった。
特にアイルー(ネコっぽい奴)を操作できるのは面白い。
人間キャラよりも俊敏で、モタモタしているという印象はない。まあちょっと操作しづらいが。
他者との競争ではないという点
対人ゲームで挫折してしまう理由に「勝てないから」がある。
モンハンに出てくるモンスターは確かに狂暴で獰猛な奴らばかりだが、人が操作しているわけではない。強い人が操作している敵プレイヤーならば、下手な人が勝つことはほとんど無理だ。だが、モンハンの敵は動きに一定のパターンがあるので、下手な人でも研究してがんばれば倒すことができる。
とは言っても、上手くならなければ勝てないという点では共通しているが。
またモンハンはソロプレイだけではない。下手な人でも、ストイックに努力するだけでなく、上手い人と協力プレイをしていけばどうにかなることもある。
仲間の大切さを知ることができる
上記の「競争ではない」という点と少し被るが、モンハンの基本は、協力プレイであり、長く愛されてきた理由でもある。
正直、モンスターを倒す行為は慣れてしまえば単純作業だと思うが、味方がいることにより共同作業となり、それは楽しいものとなる。しかも気が置けない仲間と一緒に遊べば、その楽しさは倍増する。自分一人ではやる気が起きなくても、一緒にやる友人自体がモチベーションになる。
言っておくが、私だって前は友人と協力プレイをしたことがある。
ただし、「足を引っ張る人もいる」、「そもそも協力する気がない人もいる」という世の厳しさも学習することができるがね。それも楽しみの一つだと捉えられるようになれば、貴方は一人前のプレイヤーであり、人間だと言える。
有名な芸能人もやっている
日本人はとにかく権威に弱いので、「〇〇もやっているからやろう」と言われると簡単に同意してしまう。
お笑い芸人の誰誰がやっていると言ってもやりたくはならないだろうが、フィギュアスケートで金メダリストの羽生結弦だってやっている。
こう言われると、やりたくなるのではないか?
私はならないが。
総評
さて、モンハン素人の私があまり長々と批判的な内容を書き連ねていると、「貴様にモンハンの何が分かる」と苦情や直接攻撃が飛んできそうである。この辺でやめておこう。
私が「モンハンXX」スイッチ版を遊んだ印象を一言で表すならば、"これまでよりもゴージャス感が増したモンハン"だ。
これまでのモンハンシリーズが楽しめた人間ならば楽しめる内容であるだろう。
全体的に辛口になってしまったが、私はオープンワールドになるPS4の「モンスターハンター:ワールド」には大きな期待を寄せている。
おそらくモンハンにとって、ゼルダBtWのようなブレイクスルーになるはずであり、少なくとも小刻みなマップ移動でローディングにイライラ、ということはなくなるだろう。
キャラのモタモタ感なども改善され、この私が見てすらも「素晴らしいゲームだ」と唸らせるような名作になってほしいものだ。
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