イナズマイレブン無印の思い出
アレスの天秤について語る前に、思い出話をしよう。
私がイナズマイレブンに触れてからもうすぐ10年が経とうとしている。
ウソみたいな話だ。
私は無印世代のイナイレにものすごくハマっていた。
アニメから入り、ゴールデンタイムに枠移動した2期から見始めたのだが、とにかくそのハチャメチャな「超次元サッカー」が面白くて私は興奮した。
アニメを語り出すと長くなるので、また別の機会にするが。
もちろんゲームも無印は全てプレイしたし、相当な時間を費やした。GOはまあそれなりに楽しんだ。
イナズマイレブンというゲームは斬新でもなければ、それほど良くできたゲームとは思えなかったが、それでもプレイを続けたくなる何かがあった。
それは多分3つのことだ。今から解説する。
1つ目は、実は自由度が高いサッカーゲームだったことだ。
まずは私がサッカー好きということもあった。それはかなり大きい。
DSのタッチペンを使って各選手を自由に動かせるシステムは魅力的だった。
キャプテン翼のゲームには無い、イナイレならではの良さだった。
当時、このシステムを実現していた本格サッカーゲームは、Wiiのウイイレしか無かった。(今はそれの後継も無くなったが……)
2つ目は、イナイレの最大の魅力である多くのキャラクターと派手な必殺技だ。
これらがゲーム世界観を楽しくしている。
想像の余地があるゲームというのは良いものだ。
一言二言しかセリフが設定されていないキャラでも、ビジュアルと必殺技、ポジションなどで頭の中で勝手にストーリーを想像してしまうのだ。
「自分の好きなキャラがゴールを決めた!」
「このキャラがアニメの〇〇と同じ技を!」
それだけで楽しくなるゲームだった。
あるいは、
「この子とこの子を同じチームに入れたらどんな化学反応を起こすのだろう」
「この2人はポジション争いが激しくなりそうだな」なんてサッカーファンならではの妄想も楽しめた。
魅力的な男の子達が沢山いるゲームだが、女の子だけのチームを作るのも楽しかった。
そういった意味では、イナイレはソシャゲに近い売り方をしていた。
だが、一般的なソシャゲや後に出た「妖怪ウォッチ」や「スナックワールド」などよりはずっと良心的だった。
何故なら、有料ガチャが無かったからだ。これが3つ目の良い点だ。
アレスの天秤の試遊レビュー・感想
さて、前置きが長くなってしまった。
おそらく皆さんの多くはTGS 2018での「アレスの天秤」の試遊感想を読みたいのだろう?
オーケー。ほんのわずかな時間しか遊べなかったが、今から伝えていこう。
周りくどくてすまないが、ここはこういうブログである。皆さんは寛容なので理解してくれると信じている。
さて、アレスの天秤レビューだが、正直まだまだなゲームなので、皆さんも寛容な精神で見守ってほしい。
あと今回はサッカーパートだけの試遊だったので、それを踏まえて見てほしい。
良い点
グラフィックが進化した
グラフィックはかつてのWii版と比べても、驚くほど進化している。
アニメみたいな3Dが良いんだよ。製品版でこのアニメ調の3Dモデルを存分に愛でられるのかと思うと楽しみでニヤニヤしてくる。
私の大好きなクララちゃんも登場するのが確定しているからね。
そして勿論イナイレの醍醐味である必殺技も、文句のない出来映えだった。
パスのアシストラインが出る
初心者にも分かりやすいように、パスを出す方向が光るラインで示されるようになった。
味方がどこにいるか把握するのにも役立つ。
悪い点
外見や操作方法はウイイレやFIFAに近づいたが、中身は?
この新しいイナズマイレブンは、グラフィックや攻撃時の操作などは、一見、ウイイレやFIFAに近づいたように見える。
だが、肝心の中身、つまりゲームシステムはタッチペン操作が無くなった分、かえって退化してしまったようだ。
まずディフェンス時に操作キャラが切り替え不可なのは、だいぶお粗末だと言わざるを得ない。
守備時にできるのは、自動的に決まったキャラを動かすのと、Aボタンを押してプレスを強めるだけ。
この時点でDS版よりも自由度が低いゲームだと感じた。この仕様はサッカーゲームとして楽しくない。
攻撃時もパスのアシストラインが出てロブパスができるようになったのはいいのだが、DS版のようにスルーパスは出せないのか?
ウイイレ、FIFAとは目指す方向性が違うのだろうが、グラフィックが進化した分、どうしてもその2大リアル系サッカーゲームが頭をよぎってしまう。
肝心のゲームシステムはファミコンのキャプテン翼やビーナスイレブンに近づいた。
簡単操作で分かりやすいと言えば聞こえはいいが、最新ハードで出るサッカーゲームがこれでは残念だ。
表情やボイスが無いのが気になった。
おそらく未完成版だからだろうが、表情が全然変わらないのは気になった。
無失点で勝った時でさえ、明るいのりかが死んだような顔をしていた。
製品版ではアニメのように表情豊かになってほしい。
またボイスもまだ収録されていない。まだ録っていないのだろうか?
CPUのレベルが低く設定されすぎて、遊びごたえがわからない。
とにかく敵AIの完成度は低い。
ゆっくりドリブルで攻めるだけのオフェンスと、リトリート※するしか能がないディフェンス。
※自陣に下がって守ること
のりかが失点して吹っ飛ばされるシーンが見たかったのだが、明日人が適当にプレスをかけてるだけで大体取れてしまうので、ディフェンスの楽しみが低い。
逆にこちらが攻撃の時は全然プレスをかけてこない。
ズルズル下がるだけなのでいくらでもドリブルなりパスなりで運べる。
気がついたらシュートレンジになっていた。
これでは3歳児だって、たやすく勝てるだろう。ここでも調整不足という印象だ。
アレスの天秤試遊について総評
アレスの試遊が終わった時、私は首を傾げた。
作り込みが甘過ぎて、まだまだ完成には程遠い印象だ。それどころか、体験版として出すにも危うい。
もしこれで完成が近いと思っているのなら、私は日野晃博社長や責任者を並べて、全員に「ファイアトルネード」を喰らわせるだろう。
「お前ら目を覚ませ!」と。
特にディフェンス時の楽しくなさは深刻だ。デザイナーは我々が2018年に生きている事を知らないんじゃないか?
この仕様でOKだと思っていなければいいが。
年内に発売は無理だろう。2019年春発売ではないかという噂を耳にしたが、それが一番ありえそうだ。
「アレスの天秤」というプロジェクト自体が、 少し甘い見通しで進められてしまったかもしれない。
アニメも、3人の主人公+豊富な過去作キャラを全員活躍させるという条件で、果たして2クールで満足に描き切れたと言えるだろうか。
レベルファイブブースではなんと、イナイレ次回作の宣伝PVが流されていたが、今レベルファイブがやるべきことは、そういうマーケティングではない。
今レベルファイブや日野氏に求めるのは、2019年3月までにクオリティを上げて、イナズマイレブンを愛する人たちやまだ見ぬファンのために質の高いゲームを作ることだ。
私が求めるのはそれだけだ。アニメはOLMの優秀なスタッフに任せておけばいい。
まあ、発売したらなんだかんだでいいものになってるさ!楽観的に待っていよう。