やすおかのポケモンなどブログ

ポケモンの記事を書くと見せかけていろんなゲームの記事を書いてます。ポケモンは対戦派ですが、一番重要なのは楽しむこと。まだ見ぬ未開の地を求めて

ポケモンサンムーン|WCSルールでグソクムシャを使った感想・考察【JCS予選】

ポケモンの世界大会の予選である、ポケモンジャパンチャンピオンシップス2017の予選が終わった。

皆さんはどのような結果に終わっただろうか?残念ながら私は散々な成績で、今年はカリフォルニアへタダで旅行する計画を立てる必要はなさそうだ。おそらく私が2月の闘会議でベスト4に入った事などもはや忘却の彼方だろう。

何の成果も得られず、全く無為とも言えるような試合を繰り返してきた気もするが、そんな中でも健気に戦った愛すべきポケモンについて考察したい。

前置きが長くなった。まあ要するにグソクムシャについての考察記事、というか使った感想記事である。

なぜグソクムシャなのか?オニシズクモとの比較 

WCS環境で水・虫の複合タイプならグソクムシャ以外に、オニシズクモがいる。

合計種族値はグソクムシャが530、オニシズクモが454。一見するとグソクムシャの方が優れているように見える。

しかしWCSルールでオニシズクモを使う人はたくさんいるが、グソクムシャはほぼ皆無だ。特性に差があり過ぎるのだ。

オニシズクモの特性「すいほう」は水技威力2倍・炎技半減・やけどにならないという3つの効果を持つ非常に強力なもので、しかもなんのデメリットもない。これにより水技限定ではあるが、物理火力・特殊火力共にグソクムシャを大幅に上回る。

一方グソクムシャの「ききかいひ」はHPが半分以下になると自動的に手持ちに戻るというなんとも使いづらいものだ。「上手いタイミングで交代ができて後続を無償降臨できるんじゃないか」そう思う人もいるかもしれないが、実際はこちらが技を使う前に交代が発生してしまい、半分以上HPが削られただけという状況になりやすい。正直プラスよりもマイナスになることの方が多い特性だ。

火力方面でもグソクムシャは物足りない。A125は悪くない数値だが、一致技の最高威力が水85の「アクアブレイク」と虫90の「であいがしら」で物足りない。タイプ一致の物理複数攻撃もない。

グソクムシャもオニシズクモもどちらも「アクアブレイク」を覚える。A特化にした場合の火力指数はグソクムシャが24735、オニシズクモが34170でまるで勝負にならない。

 

ではなぜグソクムシャなのか?

答えは簡単だ。カッコいいからだ。

ポケモンは見た目が7割。グソクムシャの、ダイオウグソクムシという粗忽な生き物と武者をモチーフにしたデザインはアローラポケモンで最高のカッコよさ。

一方オニシズクモはミズグモをモチーフにしており、宇宙的人なミステリアスさと昆虫らしい無機質な見た目が売りのポケモンだ。不気味なポケモンが好きな人は良いかもしれないが、おそらく見た目でオニシズクモを選んでいる人はほとんどいないだろう。

まあ見た目以外にもグソクムシャが明らかに勝っている点はある。

一つ目は水技以外の火力。特に一致虫技は等倍以上で入る相手ならバカにならない。(その通りが最悪なのだが)

二つ目は物理耐久。これも明らかにグソクムシャが上だ。「きゅうけつ」で火力と物理耐久を活かした戦い方はオニシズクモにはできない。

三つ目は先制技の有無。グソクムシャが3種の先制技を覚えるのに対し、オニシズクモは一つも覚えない。もしオニシズクモが「アクアジェット」を覚えていたら、マリルリやハッサムが涙目のバランスブレイカーになっていたに違いないが。

四つ目は「トリックルーム」下でグソクムシャの方が早く動けることだ。もっとも、グソクムシャがトリル下でオニシズクモより早いからって何の意味があるだろうか?トリルパのトップメタであるカビゴン、ギガイアス、コータスといった面々はより素早さが遅く、しかもギガイアスとカビゴンは「いわなだれ」で両者の弱点をついてくる。純粋なトリルパだったら明らかに彼らの方が上だ。

五つ目は「ワイドガード」を覚えることだ。

(オニシズクモもワイドガードを覚えるので訂正)

 皆さんはグソクムシャがワイドガードを覚えることを知っていただろうか?ダブルバトルをするならば知っていて当然であり、知らないのであれば勉強不足である。私はこの記事を書くまで知らなかった。

ガブリアスの「じしん」、ギガイアスやカビゴンの「いわなだれ」、カプ・レヒレの「だくりゅう」、カプ・コケコやカプ・テテフの「マジカルシャイン」、コータスやウインディの「ねっぷう」など。全部この技で無効にすることができる。中々味のある技ではないか。

六つ目は「じこあんじ」が使えることだ。これはカビゴンの「はらだいこ」とのコンボが有名だ。もちろん私はこの記事を書くまで知らなかった。

 

共通点

  • みず・むしタイプである
  • 鈍速アタッカーである
  • むしタイプなのに「とんぼがえり」を覚えない
  • 「ワイドガード」を覚える

オニシズクモが勝る点

  • 火力が高い
  • 特殊耐久が高い
  • 特殊アタッカーにもなれる
  • タイプ一致複数攻撃がある
  • 特性にデメリットがない

グソクムシャが勝る点

  • 水技以外の火力が高い
  • 物理耐久が高い
  • 先制技を覚える
  • 「トリックルーム」下で早く動ける
  • 「じこあんじ」を覚える

技について

虫技 

前述の通り、グソクムシャの最大火力は威力90の「であいがしら」だ。

 威力90で一致の先制技、と言うと聞こえはいいが、出したターンしか使えないのは大きなマイナスだ。簡単に「まもる」で防がれてしまう。

しかもそれほど火力があるわけではない。要するにA特化「であいがしら」はA特化鉢巻ハッサムの「バレットパンチ」より若干低い程度の火力、と言えばシングルしかやらない人にも伝わるだろう。

そのうえ虫技。通りの悪さはご存知の通りである。炎・闘・毒・飛・霊・鋼・妖という環境に多いタイプにことごとく半減されてしまう。

逆に言えばグソクムシャを出したターンは半分くらい削れた相手なら「まもる」を誘発できるので、別に持ってなくてもなんとかなる、という考えに至り、私はであいがしらは採用しなかった。

もっとも、ほぼトリル前提のPTであるから「であいがしら」を使う必要はあまりなかった。

今回は試さなかったがトリルを使わず「であいがしら」+もう一撃で倒していく戦略もあると思う。カプ・テテフが相手のPTにいないことが条件になるが。

私のPTではグソクムシャの火力・耐久と相性の良い「きゅうけつ」を採用した。終盤の打ち合いにめっぽう強く、この技のおかげで"憎き"オニシズクモとの1on1を制して勝った試合もあった。

「であいがしら」が最高火力と言ったが、実は「ミサイルばり」も覚える。運が良ければ最高威力125となり、襷やみがわりやばけのかわ破壊もできる技だ。少なくとも襷ミミッキュのばけのかわと襷を95%の確率で剥がせる。もっともミミッキュは虫技4分の1なのでゴミのようなダメージしか入らないが。

 

水技

さて水技の方はどうか。通りが酷すぎる虫技と違い、水技は鋼も含め等倍で刺さる相手が多い。ドラゴンが少ない環境なのも追い風だ。

最高火力の「アクアブレイク」は威力85で命中100、2割の確率でぼうぎょを下げられる、と非常に安定した素晴らしい技だ。

私はミズZを使っていたがこのポケモンの「スーパーアクアトルネード」の通りの素晴らしさは使っていて気持ちが良かった。

ただ無振りガブリアスですらZ技で確定2発に過ぎないので大した火力はない。(与ダメージ153~180で83.6%~98.3%)

他に「アクアジェット」は安定した先制技であり、先の「スーパーアクアトルネード」を耐えた直後のガブリアスも倒すことができる。2割くらいまでHPが減ったポケモンを仕留めるのにはあると便利だ。

その他の物理技は、「アクアブレイク」のほぼ完全劣化である「シェルブレード」と「たきのぼり」しか覚えない 。前者は相手の防御を下げる運ゲーがしたい人向きで、後者はトリル下で怯ませる運ゲーがしたい人向きである。

 

 サブウエポン

 まず真っ先に考えられるのが「ふいうち」だろう。「アクアジェット」より使いづらいが、威力が10高く「であいがしら」のような使用制限もない。ただし環境に存在するポケモンで抜群で入るのはガラガラくらい。フワライドにも抜群だが「おいかぜ」か「おにび」でスカされるのが関の山だ。ゲンガーがもし相手のPTにいるなら有効だが、かつて栄華を極めたこのポケモンは、今では滅多に出会わない存在になってしまった。まだアローラライチュウの方がメジャーなくらいだ。

カプ・テテフ意識の技なら毒タイプの「どくづき」もあるが火力アップアイテムがないと無振りカプ・テテフも最高乱数以外耐えられてしまう。Zアクアブレイクなら確1なので、私のPTではそちらで十分だった。

あとは「いわなだれ」。アローラキュウコンやバイバニラなどの霰パ崩しにはそこそこ有効かもしれない。炎タイプには水技でいいし、飛行タイプも打ちたい相手が少ない。何と言っても火力が足りない。「トリックルーム」+「はらだいこ」+「じこあんじ」によるコンボを狙う際には採用価値があるが、そうでないならギガイアスを使った方がいいだろう。

 

 

補助技

 「つるぎのまい」や「ビルドアップ」は特性の「ききかいひ」と相性が悪いうえ、仮に積んだからと言って微妙な火力であり決定的な仕事ができるとは言い難い。採用するなら例のコンボでA6段階アップが狙える「じこあんじ」だろう。

また「ちょうはつ」を覚えることも忘れてはならない。ただの先制技ぶっぱマンだと勘違いしている輩のポリゴン2やミミッキュを「トリックルーム」読みで煽ってやるチャンスもあるかもしれない。トリルエースとして採用するのであれば、この技を入れるのは寿司屋でケーキを食べるくらいナンセンスなことだが。

先ほども触れたが「ワイドガード」も中々味のある技だ。例えば隣にアローラガラガラがいて、なんとか「じしん」や「だくりゅう」から守ってやりたいという時はとても役に立つ、はずだ。使ってないからはっきりは知らないが。

もちろん「まもる」も必須レベルの技だ。弱点や特殊高火力で攻められたら、ノロマなグソクムシャは一溜りもない。「トリックルーム」下でなければ簡単に縛られてしまう。仮にひんしまで行かなくとも、勝手に発動する「ききかいひ」で下げられてしまうこともよくある。

特にカプ・テテフは天敵だ。このポケモンを対面から倒すには「まもる」から隣のポケモンでトリルを発動するしかない。

 

 実際の運用

技についてツラツラと述べたが実際に使ったグソクムシャを紹介しよう。

 

ゆうかん@ミズZ 

個体値 31-31-31-x-31-0

努力値 H252 A252 D4 

実数値 182-194-160-x-111-40

アクアブレイク/アクアジェット/きゅうけつ/まもる

コンボなどは一切考えていない単純なトリルアタッカーで、Hが偶数なのも適当だ。2体が倒された後に出し、「ききかいひ」を無視するが基本的な出し方で 、Zワザをドカンと撃つのが主な仕事となる。

トリル下でアローラガラガラと並べると相性補完にも優れかなりの制圧力があったが、ギガイアスにはめっぽう弱い。カビゴンも「はらだいこ」を積まれてしまった場合はかなり厳しい。

また飛行技に弱く、テッカグヤの「エアスラッシュ」やペリッパーの「ぼうふう」でも簡単に落ちる。少し特防に振る調整が必要だろう。

当然「いかく」持ちも厄介だ。環境トップメタのウインディは面倒な相手だ。彼は「いかく」をするだけである程度の仕事ができる。A一段階ダウンしてもZワザならH252振りウインディも確1で持っていけるのだが、大抵は逃げられたり守られたりして、そう簡単にはいかない。トリル下なら有利な相手ではあるのだが……。

技構成ではあまり困ったことは無いが、「であいがしら」があったら勝っていたかもしれないという局面は大会中何度かあった。「アクアジェット」は使いやすさは最高だが、使ってみると思った以上に威力不足だ。

 持ち物ももう少し考慮の余地があったように思う。今のところ考えられる第二候補は命の珠だ。

 

 終わりに

まあ色々書いたが結局グソクムシャの魅力はデザインのカッコよさがほとんどだ。種族値や技などはおまけに過ぎない。

 ヒーロー然としたポケモンや刃物のような腕を持ったポケモンは今までもたくさんいたが、いずれもスマートな見た目をしており、その中でこれほど太く武骨な腕と上半身を持った2足歩行のポケモンはいなかった。それこそが最大の魅力である。