先日、海外の記事でこういうものがあった。
「任天堂のゲームには黒人が出てこない」というものだ。
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記事では「スプラトゥーン2」のイイダが話題になっており、彼女が任天堂史上初の黒人のメインキャラクターになるかもしれない、という内容だ。
人種問題に疎い日本人にはなんともコメントしづらい問題だ。
だが海外の人から見たら、任天堂はKKKのような白人崇拝主義団体だと思われているのかもしれない。
一方SCEはそんな海外の文化を考慮してか、任天堂よりもだいぶ前に黒人の少女が主人公のゲームを出していた。
今日は7月のPS+で、PS4フリーソフトで遊べる「グラビティデイズ」について紹介しよう。
このゲームが初めて世に出たのはPSVITAで2012年である。
そして2015年にはPS4に移植版が発売され、今年2017年に続編がPS4で出た。
このゲームの主人公キトゥンは、肌の色はどこをどう見ても褐色であるが、紙の毛はサラサラストレートの金髪だ。この点がホワイトウォッシュだなんだと批判があったかもしれない。
実はキトゥンは黒人ではないのかもしれない。ゲーム内で学校の制服を着るシーンがあるが、それがどう見ても日本人の黒ギャルにしか見えない。
このゲームを一言で表すなら、一般的には「重力を操る少女のアクションゲーム」だそうだ。
が、この記事では「黒ギャル風主人公の太ももを堪能するアクションゲーム」としておこう。
CEROは「C」、15歳以上対象。そのゾーニングの理由は「暴力」要素のせいだそうだが、主人公の太ももにも原因があると思う。
例えばこれ。
セーブ画面でこんな感じである。全く持ってけしからん。ああ、けしからん。
また、この主人公キトゥンは、こんな格好をしておきながらキック1本の格闘で戦うという武闘派である。あまり羞恥心というものがないらしい。
攻撃の度に脚の曲線美を楽しむことができる。
このキックは敵を倒すだけでなく、街中に存在するありとあらゆる小物を破壊することが可能だ。
ゴミ箱、ゴミ捨て場、ベンチ、木箱、街灯、ポスト、柵……などなど。
街の人に蹴りかかって怖がらせることもできる。それを警察がホイッスルで注意してくることもあるが、あくまで注意するだけで何もしてこない。
「スカイリム」のように街の人や兵隊と戦闘をするゲームではないので、そこは残念だ。
全体的な感想としては、ちょっと物足りない。色々もったいないゲーム
重力を制御して空を自由自在に飛べるのは面白い。
だがストーリーをクリアするか、街中のミニゲームをやるかしか遊びがない。
せっかく自由自在に飛び回れるのに、自由な遊びの要素自体は少ない。だから結局はメインストーリーを淡々と進めるだけになる。
せっかく旅行に来たのに、観光会社の用意したスケジュールが厳しくて、自分の時間が取れないような気分だ。
とは言え、観光会社に厳密に管理された旅行が全くつまらないかというと、そうでもない。お決まりのコースを巡る旅も「ほうほう、そうかそうか、なるほど」となってそれなりに楽しい。
ただ味気なく、「自由」という翼が無いように感じるだけだ。
これがただ3Dの「マリオ」シリーズのような、ストーリーが控えめでひたすらアクションを重視するゲームだったら、こんな感想は抱かなかっただろう。
だがこのゲームはアクションを名乗っているがRPGの要素がある。RPGとして捉えてしまうといささかストーリーや自由度が物足りない。
そしてアクション面に重きを置いてみるとやや単調で、できることが限られている。
それではこのゲームはひどいゲームなのか?
答えは「ノー」だ。
このゲームにはとてつもなく壮大な世界観がある。
見上げるほど大きな時計塔、下層のスラム街。
主人公キトゥンはそんな世界のどこにだって、空を飛んであっという間に行ける。
大きくて立派な建物をこれ見よがしに見せつけてくるゲームは多いが、その屋根の上に登れるゲームは稀だ。 それだけに「惜しい」という気持ちが強い。
ゲームの目的は「ネヴィ」という正体不明の敵を倒すこと
根本的なストーリーは王道のスーパーヒロインものだ。
ネヴィという謎の敵が街を襲撃してくる。その脅威から街の人を守るために特異な力を持った主人公が戦う。
戦う手段は、ほぼ蹴り一本。
その辺のゴミを投げつけて攻撃というアクションもあるが、基本は重力を操って飛びながらキックか、地上でキックかのどちらかで戦う。
キックも特別なコマンド入力はいらない。地上ではひたすらに□ボタンを連打。空中ではR2で移動しながら□ボタンで飛び蹴り。
敵をひたすら蹴って蹴って蹴りまくる戦闘だ。
複雑な操作が苦手だという人にはいいかもしれないが、それにしても少し物足りない。
慣れてくるとちょっと単調に思えてしまった。ストーリーが進むと新しいアクションを習得できるような工夫が欲しかった。
一応、ストーリーが進むと必殺技を習得できるのだが、これが自由自在に使えるわけではなく限定的なものなので、新しい事を覚えたという感動は少ないのが正直な所だ。
記憶喪失の主人公が何者か?
ベタな設定だが、主人公のキトゥンは記憶喪失である。
重力を操れる不思議な力と、常人を遥かに超える身体能力を持っている。
そして羞恥心が薄く、薄汚い下水道に好んで住み着くという変わり者である。
一体主人公は何者なのか。その謎が、ストーリーを進めるうえでの一つのモチベーションになった。
が、作中では意味深なシーンがあるだけで、その謎が明かされることなくエンディングを迎えてしまう。
結局続編が出たわけだが、当時は続編も出るのか不透明な状況だった。2012年当時クリアしたプレイヤーは、クリア後にもやもやした気分になったのではないか。
色々書いたが、結局は良いゲーム。コスパも最高。
少し批判的な論調になってしまった。
が、シンプルなアクションで、アーティスティックな世界を飛び回れる、楽しいアクションゲームなのは間違いない。
難易度も低く遊びやすい。主人公のかわいさとセクシーさもかなり良い。
実はPS+のフリープレイだったので、無料で遊べた。(実際は月額540円ほど払っているが)は、コストパフォーマンスは最高だった。
ただ無料で気軽にできるので、時間のかかる超大作を遊ぼう、という気にはなかなかならないのである。
出来れば短時間でサクッと遊べるゲームをやりたい……。そんなときにこのグラビティデイズは最高だった。EDまでは10時間程あれば到達でき、サクサク攻略できた。
同じく今月のフリープレイだった「KILLZONE SHADOW FALL」というゲームにも手を出したが、こちらは難易度の高さと操作の複雑さに面倒くさくなってしまった。
結局、私が最後まで行けたモチベーションは何なのかをまとめてみると、
- 1章が短く簡単で、すぐ終わるので、EDまでも短いと予想がついた。
- 主人公のルックスや街のグラフィックなどが芸術的で、ビジュアル面が魅力だった。
- 主人公やライバルのクロウの正体が何者か気になった。
という感じである。
純粋に面白いゲームというよりは、遊びやすく芸術的な愛すべきゲームだった。
グラビティデイズ2のプレイ記も、そのうち紹介するやも。