2017年にF1観戦復帰した、半初心者が見た今年のF1
巡り合わせとは数奇なものだ。
今年からDAZNと契約したおかげで、最近地上波どころかBSですらパッタリやらなくなってしまった世界F1選手権を楽しめている。
DAZNにはJリーグや海外サッカー目的で加入し、F1は副産物として楽しんでいたが、シーズンを通して見るとかなり面白いぞ、ということに今更ながら気が付いた。
元々私は、ミハエル・シューマッハの全盛期や、アロンソの全盛期、佐藤琢磨やジェンソン・バトンがホンダのマシンに乗っていた頃はよく見ていた。フジテレビで放送していたからだ。
それがフジテレビが地上波からBSに移行し、ついにBSフジでもやらなくなった。もう日本ではF1を気軽に見る機会はないのだろうか、と思っていたところのDAZNだった。
フジテレビでやっていた頃も、リアルタイム配信ではなかったりしたので、今年はほとんどリアルタイムで見ているという意味では初めての体験となった。
DAZNもサービス開始当初は批判されたものの、通信の安定性や画質やビットレートも向上しており、だんだんとTV放送と変わりないレベルにまで来ている。
見どころ
ベッテルとハミルトンのライバル関係が熱い
今期はフェラーリのベッテルと、メルセデスのハミルトンがかなり接戦のいい勝負をしている。
F1はここ数年、メルセデスやレッドブルの1強ムードの時代が長かったので、違うチーム同士の2強対決になっているのはかなり面白い。
ベッテルとハミルトンもお互いを強く意識しており、アゼルバイジャンGPではハミルトンにベッテルが体当たりをかまし、悪い意味で激突した。このレース後も互いに言い分を主張しあい、コース外でも火花を散らした。
あとベッテルはなぜか負けた後メルセデスのマシンを眺めてたりすることもあった。何が見えているのだろうか。
マクラーレン・ホンダが完走できるかできないかでハラハラする
今季優勝争い以外で話題になっていることの一つにマクラーレン・ホンダの"活躍"がある。
かつてアイルトン・セナやアラン・プロストがいた時代はチャンピオンだったマクラーレン・ホンダだが、今年の前半戦はかつてないほどの恥を晒し続けている。
とにかくマシンが壊れる。レース終盤に壊れる、スタート前のフォーメーションラップで壊れる。パワーユニットが壊れる時もあれば、シャフトが壊れる時もある。
これほど信頼性に欠けるポンコツマシンが、かつてあったのだろうか。
この凋落ぶりがノスタルジーや同情や呆れ、失笑という感情につながり、悪い意味で目が離せない。
今年のマクラーレン・ホンダは、期待して裏切られるのが好きな人を喜ばせるチームだ。
そんなマクラーレン・ホンダも、前半戦最後のハンガリーGPでは初のダブル入賞を果たし、改善の兆しが見られた。果たして後半戦は巻き返すのか、それとも更に恥を重ねるのか?また、ホンダとマクラーレンの関係はいつまで続くのか――?まったく予想がつかなくてワクワクドキドキである。
気になるチーム・ドライバー紹介、私の印象
メルセデスAMG
前半戦1位
ここ最近はずっと王座を守っているようだ。特に昨年はあまりにもブッチギリ過ぎて、あまり面白くなかったらしい。
昨年はハミルトンとロズベルグのチーム内でのバトルが激しかったらしいが、今年はハミルトンとボッタスが紳士的で、あまりにもスポーツマンシップに則ったフェアプレーをするので感動している。
あとエンジン音が、金管楽器の音色のようで心地よい。
ルイス・ハミルトン
前半戦2位。32歳。ブラジル人。世界王者、過去3度。
昔よく見ていた頃はやはり驚異のルーキーとか言われてたが今ではすっかりベテランの域である。
昨年は10勝を挙げたのにチームメイトのロズベルグに5ポイント負け、ワールドチャンピオンになれなかったらしい。それまでにメルセデスが圧倒的だったそうだ。
SNSで軽口を書いてしまったりしてたびたび問題になるが、彼はイギリス人だからしょうがないね。
今年からチームメイトになったボッタスがあまりにも良い人過ぎるので、彼も感化されてか、譲ってくれた順位を譲り返すなどちょっと紳士的になったかもしれない。
バルテリ・ボッタス
前半戦3位。27歳。フィンランド人。
去年まではウィリアムズにいたらしい。
ボッタスがスペインGPでライコネンとフェルスタッペンを1周目でリタイアに追い込んだときは、私はこう思った。
「ボッタスはちょっとイヤな奴なのかも」と。だが、その後のレースを見ているうちにそれが間違いだということに気づかされた。
ボッタスは仏のようなメンタルの持ち主だ。ライコネンと違い、フィンランド人らしい穏やかな性格で、でチームのオーダーに忠実である。
特にハンガリーGPで自分の方が遅かったので、チームメイトのハミルトンに素直に順位を譲った時は何と素直でいい人なんだと率直に思った。 >その後、ハミルトンがボッタスに順位を返すという紳士的な振る舞いを見せた。フェラーリ派の私ですら、このメルセデスのチームワークには感動した。
スクーデリア・フェラーリ
前半戦2位。
ミハエル・シューマッハの全盛期が好きだったので、なんとなく贔屓している。
キミ・ライコネンがまだやっているのも推せる理由だった。
ともあれ、今期面白い最大の理由がフェラーリの復活だろう。
セバスチャン・ベッテル
前半戦1位。30歳。ドイツ人。世界王者、過去4度。
昔よく見てた頃は、最年少優勝など最年少記録を次々と塗り替えているスーパールーキーだったが、いつの間にか30歳になっていた。時が経つ早さを実感した。
だが荒っぽさは30歳になっても悪い意味で変わっていないようで、ペナルティを食らいまくって出場停止までリーチになっている。多分
そんな彼だが今年は4年ぶりにワールドチャンピオンになるチャンスの年で、現在首位 。メルセデスばかり勝っているのはつまらないので、久々にフェラーリのマシンに乗ったドライバーが王者になるところを見たい。
まあ、私はメルセデスの黄金時代を見てなかったのだがね。
キミ・ライコネン
前半戦5位。37歳。フィンランド人。世界王者1回。
飲んだくれでお馴染みのレーサー。
昔は「無冠の帝王」なんて呼ばれてた気がするが、フェラーリで1度ワールドチャンピオンになった。
スペインGPでは1周目でリタイアしてしまい、ファンの少年を大泣きさせた。その後、その少年をレース中に招き入れて記念撮影をするなど粋なファンサービスが話題になった。
モナコGPの予選では驚異的な走りでポールポジションを獲得し、久々の優勝かと思われたが、ピット作業でチームメイトのベッテルに前に出られると、一気にやる気をなくしてしまい、不満が残る形の2位で終わった。
ハンガリーGPでは、トップを走るベッテルのマシンが調子が悪く、自分が前に出ても良かった状況なのに、最後までチームのためにハミルトンの追撃を押さえこんで、2位を死守した。
2013年のオーストラリアGP以降、勝利から遠ざかっている。果たして彼がトップチェッカーを受ける瞬間が再びみられるだろうか。
マクラーレン・ホンダ
先ほども書いた通り、信頼性が極めて低いマシンで、完走できるかハラハラさせてくれる。
日本製のエンジンだから気になって見ているが、真面目に応援している人はかなりストレスを感じる前半戦だったろう。
アイルトン・セナの全盛期を知らない私は、そんなことは単なるフィクション、おとぎ話ではないかと思えてくる。
フェルナンド・アロンソ
前半戦15位。36歳。スペイン人。過去世界王者2回。
毎度おなじみの眉毛マン。ルノーの青いマシンで2連覇したころはよく覚えている。
今でも流石という走りを見せる。顔も昔よりカッコよくなった。
ただマクラーレン・ホンダのマシン及びパワーユニットがポンコツなので、マシントラブル連発して思うような結果が残せずにいる。
それでもなお、マシンの調子が良い時は果敢にオーバーテイクをして流石という所を見せた。
ホンダへの不満をほのめかすようなことも言っている。まあ、ホンダが悪い。
モナコGPには出場せず、インディアナポリス500へスポット参戦したのには驚いた。そして佐藤琢磨の歴史的優勝に立ち会った。
来年は本格的にインディカーに行ってしまうのかもしれない。
ジェンソン・バトン
37歳。イギリス人。世界王者1回。
毎度おなじみのヒゲ男。実は昨年で引退していたが、アロンソがインディ500に参戦したことで、モナコGPのみスポット参戦。
が、久々でモナコは彼とは言え荷が重かったか。ウェーレインのマシンをひっくり返す派手なクラッシュをしてリタイアした。
ストフェル・バンドーン
前半戦18位。25歳。ベルギー人。
今期、アロンソとコンビを組むF1ルーキー。
昨年までスーパーフォーミュラにいたらしい。日本でやってるやつね。
11戦目で10位に入り、やっと初ポイント。マクラーレン・ホンダが不甲斐ないにしても、彼もミスが多くまだ未熟なようだ。
フォース・インディア
インドのチーム。
昔見ていたころは、ザウバーと並んで弱小チームの筆頭だったが、年々力をつけてきたらしい。今では毎回ポイント圏内、中堅クラスの実力なようだ。
今年はピンク色のマシンで、かわいらしい。ガールズにもウケてるはず。
チーム内での競争も推奨するスタイルのためか、チームメイト同士の戦いが激化している。
特にアゼルバイジャンGPで、ペレスとオコンはお互いにラインを譲ろうとせず、味方同士激突して、レース後に険悪なムードに発展した。