知らぬ間に、「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(以下DQ11)の情報が開示されたようだ。
3DSとPS4でそれぞれ出ることは知っていたが、3DS版に新たな動き、即ちニンテンドーダイレクトがあったらしい。
3DS版は2D/3D切り替えが売り、PS4版は美しいグラフィックが売り。
3DS版は今風の3D画面と、スーファミ時代までのドラクエのような2D画面それぞれで遊べるというのが売りらしい。
アイディア自体は面白いのだが……。
3DSで出すにしても、2年ほど遅かったように思える内容だ。「3Dモードではジャンプできちゃいます!」などとアピールしてる時点で、どこかズレている印象がぬぐえない。
果たしてPS4のこの綺麗な画面の同タイトルを見ても、3DSの方をやりたいと思うだろうか。
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて ニンテンドー3DS™版プロモーション映像』
だがスクウェア・エニックスがわざわざ 3DSでも出す理由は、「DS時代にDQ9や天空三部作リメイクを出した恩があるから」だけではない。
平たく言うと3DSで出したのは、ライト層にも買ってもらいたいからだ。
3DSとPS4はメーカー、発売時期、スペック、特性、価格帯など何から何まで全く異なるハードだ。
3DSは安く、携帯でき、出荷台数もPS4に勝るが、マシンスペックが低くグラフィックはお粗末。
PS4はマシンスペックが高くグラフィックも秀麗で多機能だが、高価で持ち運びはできない。
クルマに例えるなら
ゲームに詳しくない人のために自動車に例えるなら、3DS版DQ11は安価で大衆向け軽自動車のスズキ・ワゴンR ハイブリッド FXで、
PS4版DQ11はハイテクが詰まったスポーツカーの、ホンダ・NSXの新型くらいの違いだ。
念のため言うがこれはハードの評価ではない。あくまでDQ11のそれぞれのプロモーションを見ての筆者の印象だ。
安くて小回りが利き、しかも一応ハイブリッドカーのスズキ・ワゴンRハイブリットFX。
そして同じく安くて持ち運びができ3D・2Dの切り替えができる3DS版DQ11にイメージがピッタリ合うではないか。
一方1990年に初代が発売した時は一世を風靡し、2017年に新型が発売したホンダ・NSX。
1990年といえば、ドラゴンクエストでは天空三部作の1作目DQ4が発売した年である。
どちらも最新のテクノロジーを駆使し、メーカーが当時のような旋風を巻き起こそうと考えている点が共通だ。
お寿司に例えるなら、3DS版はコンビニの手巻き寿司 、PS4版は回らない店のお寿司。
しかし勘違いしないでほしいのだが、スズキ・ワゴンRも売れ筋の商品だし、コンビニの手巻き寿司もお手軽に楽しめ結構旨い。
要は買う人が違うだけだ。
どんな人が買うのか?それぞれのターゲット層は?
3DSはPS4よりも低価格で、携帯機である。その気になれば電車の中でも遊べる。PS4はどうやってもできない。
おそらく3DS版はお金がない小・中学生や、忙しいかゲームにお金をかけられない社会人などがメインターゲットだろう。
しかし妙なことに、3DS版の方がレトロな魅力を謳っている。かつてDQ1~6をプレイした人、つまり30代後半から40代の人にも帰ってきてほしいようだ。
そう考えると、「ジャンプできちゃいます!」なんてとぼけたアピールも納得だ。
ファミコン・スーファミで止まってる人は、3Dフィールド上でキャラがジャンプできるなんて思いもよらないからだ。
「ジャンプできるのか!すごい!」と素直に受け取ってくれることだろう。
PS4版を買うのは、純粋にグラフィックの綺麗さなど完成度の高さを追い求める人。
そしてビデオゲームにある程度カネをつぎ込むのをいとわない人で、時間にも余裕がある人だ。