ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めての発売日となった
ドラクエ11の発売日。しかしイマイチ私は期待が持てていない。
なぜか?その理由は、スクウェア・エニックスは過剰とも言えるような「ドラゴンクエスト11の発売が楽しみな人」のCMを作っているからだ。
中には転げまわって息子に駄々をこねて買ってもらっている人のCMもあった。
CMの表現に突っ込むのも野暮だが、こんなにDQ11を楽しみな人がいるのかは疑問を感じる。
そしてほとんどゲームの内容に触れない。もし「ドラゴンクエスト」という言葉を知らない人が見たら、いったい何の宣伝なのかと疑問に思うことだろう。
DQ11のTVCMはアテにならない
今、「DQ11を本当に買おうかどうか迷っている人」はこんなCMを見るのはおススメしない。
何故ならこれらのCMは「DQ11が発売することを知らなかった人」向けにするものだからだ。
もしあなたが普段ゲームばかりやっていて芸能人に興味がないタイプの人間で、なおかつ、DQ11の購入に迷っているのなら――
きっとあなたはこれらのTVCMを見て、ウンザリしているはずだ。あまりのセンスの無さにね。
つまらないCMのせいで、DQ11自体も「なんかつまらないのかも」と思ってしまっているだろう。
だがこのTVCMだけで判断するのは、少し早急だと言える。
なにはともあれ、まずは公式サイトを見るべきだ。私もこのサイトを眺めているうちに、期待がふくらんできた。
スクウェア・エニックスのゲームの公式サイトは、様々な情報がゴチャついていて、あまり見やすいとは言えない。
しかもまず最初に関門がある。それは「PS4版か3DS版か」というポイントだ。
まず知っておきたいのは、スクエニは基本的には高解像度のPS4版を推奨しているということだ。
スマホブラウザから公式サイトを見ている人はわからないだろうが、PCブラウザではPS4版がデフォルト表示になっており、3DS版はタブをクリックしないと見れない。
前にこのブログでは、「DQ11をクルマに例えるならPS4版はNSXで、3DS版はワゴンRだ」と言った。
わかりやすい表現のつもりだったが、車を知らないゲーム好きの人には不親切だった。
要するに、PS4版は高品質な映像やCGの造形をじっくり楽しみたい人向けで、3DS版はお手軽に遊びたい人向けということだ。
当サイトでも、基本的にはPS4版を推奨する。NSXとワゴンRのどちらに乗りたいかと言われれば、当然NSXだからね。
ドラクエ11の本当の魅力とは
ブランド力
なんだかんだ言っても「ドラクエ」という名前には栄誉がある。
30年の間積み上げてきた歴史があり、知名度、信頼がある。
これと全く同じ内容で、「ブレイブリーデフォルト」という名前で売り出したらどうだろう。ゲームがどんなに面白くても、おそらく全く売れない。
「ドラクエ」は「ドラクエ」という名前だからこそ売れるのだ。
ただ、この説明では、ゲームについて何も語ってないTVCMと同レベルなので、「なんだこのブログ結局何も言ってないじゃないか」と思われてしまう。他にもまともな長所を挙げよう。
マップ
このマップを見てほしい。
マップを公開するというのが今時のゲームっぽくないだろう。まるで昔のRPGだ。
昔ポケモンの赤緑などで、こんな感じのマップが説明書と一緒に入っていて、想像力を掻き立てられたのを思い出させられる。
パッケージ版にもこのマップの紙が入っていたら最高だ。
キャラのCG
ドラゴンクエスト11のPS4版で一番進化したと考えられるのはこのキャラのCGかもしれない。
フルCGのTVアニメも珍しくなくなった時代だ。ゲーム業界のトップランナーだという自負があるスクエニは負けていられないのだろう。実際トップかどうかはさておき、CGの質はかなり向上したと感じる。
出典:マルティナ | キャラクター | ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて 公式サイト | SQUARE ENIX
これでCERO「A」だ。マルティナはウスイ・ブックスでは人気になるかもしれないが、あくまで一般的な少年漫画レベルの性表現に留めているようだ。
子供にも安心だ。
ドラゴンクエストヒーローズでもこんな感じだったと思うが、あれはナンバリングタイトルでないのでノーカンで。ちなみにあっちはCERO「B」だった。
伝統を守る美しさ
京都の街並みや寺社を見て、「古臭い、時代錯誤な街だ」と批判する人がいるだろうか。いたらその人こそ「歴史を軽んじている」と批判の対象になるだけだろう。
「ファイナルファンタジー15」、「ゼルダの伝説BtW」など歴史あるRPGがオープンワールドという新しい道を進む中、「ドラゴンクエスト11」は昔と同じ、JRPGという道を歩んでいくことを選んだ。
もちろん流行りのオープンワールドではない。キャラのボイスもない。戦闘システムも、実際のところファミコンの時代から大きく変わったわけではない。
シナリオは30年前と同じ堀井雄二だし、音楽もすぎやまこういちで、キャラデザも鳥山明だ。
ごく普通のJRPGだ。
それは未来志向の若人から見たら保守的でつまらないように映るかもしれない。実際、保守的なのは間違いない。
だが、京都の街並みを見て「価値がない」と思う人は多くはない。伝統を守ってきた格調がある。
ドラクエもそれと同じように、30年前と変わらぬゲームシステムを現代になっても引き継いでいるからこそ、格調高さがあるわけだ。
結局のところ、ドラクエ11の最大の魅力とは、20~30年前と同じ冒険を最新の美麗なグラフィックでやっている、ということなのだろう。
ドラクエ11は、今までにない刺激や、強烈な快感を味わえるゲームには、きっと成らない。
それでも老舗料理店のように、「ドラクエ」は「ドラクエ」である、という理由から、我々に変わらぬ楽しみを味あわせてくれるはずだ。